スポーツカーのお株を奪う走りが超魅力的! 往年の正統派スポーツワゴン3選

1990年代の日本ではちょっとしたステーションワゴンブームが起こり、なかでも高性能なモデルが人気を集めました。そのため、各メーカーから次々にハイスペックなステーションワゴンが登場。そこで、パワフルなエンジンを搭載した正統派のスポーツワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。

高性能エンジンを搭載し、優れた走りを実現したステーションワゴンを振り返る

 現在、日本の自動車市場では、ステーションワゴンの人気はあまり盛り上がっていませんが、1990年代にはちょっとしたステーションワゴンブームが起こりました。

ハイスペックなエンジンを搭載した往年のスポーツワゴンたち
ハイスペックなエンジンを搭載した往年のスポーツワゴンたち

 このブームの立役者となったのが、1989年に誕生したスバル初代「レガシィ ツーリングワゴン」です。

 レガシィ ツーリングワゴンのトップグレードは、高性能なターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせ、あらゆる路面状況でも安定した走りを実現。さらに優れたユーティリティから大ヒットを記録しました。

 その後、各メーカーがスバルに追従するかたちで次々と新型ステーションワゴンを発売し、レガシィ ツーリングワゴンと同じく高性能なモデルもラインナップされました。

 そこで、パワフルなエンジンを搭載した往年の正統派スポーツワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。

●スバル「インプレッサ スポーツワゴン STi」

セダンと同じく硬派な高性能モデルだった「インプレッサ スポーツワゴン STi」

 スバルは1992年に、前述の初代レガシィに続いて新開発したモデル、初代「インプレッサ」を発売しました。

 レガシィよりも小型軽量なボディに、パワフルなターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせた「WRX」をイメージリーダーに据え、セダン、ステーションワゴンの「スポーツワゴン」ともに人気となりました。

 このインプレッサ WRXをベースに、スバルテクニカインターナショナルがさらにチューニングしたコンプリートカーが「インプレッサ WRX STi」で、スポーツワゴンにも限定車として設定され、後にカタログモデルへと昇格しました。

 その後、2000年に登場した2代目ではセダンが「WRX」、ステーションワゴンが「スポーツワゴン」と呼称され、「スポーツワゴン STi」を引き続きラインナップ。セダンのWRX STiと同等のシャシ性能と動力性能が与えられ、エンジンは2リッター水平対向4気筒DOHCターボを搭載し、最高出力280馬力を発揮しました。

 トランスミッションは6速MTのみで、センターデフにビスカスLSDを用いたフルタイム4WDを採用し、走りでは2リッタークラスのステーションワゴンの頂点に君臨しました。

 高性能かつ硬派な印象だったスポーツワゴン STiでしたが、2002年にフロントフェイスを一新する(「丸目」から「涙目」)ビッグマイナーチェンジがおこなわれた際に、スポーツワゴン STiはラインナップから外され、販売期間はわずか2年と短命でした。

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●日産「アベニール GT4」

「シルビア」と同等のエンジンを搭載したスポーツワゴンの「アベニール GT-4」

 前述のステーションワゴンブームのなか、デビューした1台が日産「アベニール」です。

 アベニールは商用バンの「ADバン」とボディを共有するステーションワゴンとして、1990年に初代が誕生。

 取り回しやすい大きさのボディによる使い勝手の良さとブームの後押しもあってスマッシュヒットを記録し、1995年には最高出力210馬力を発揮する2リッターターボエンジンと、「アテーサ」4WDシステムを組み合わせた「アベニール サリュー GTターボ」が追加されました。

 そして、1998年に2代目が登場すると、レジャー用途を重視した「サリュー」シリーズと、スポーツモデルの「GT4」シリーズと、大きく2タイプに分かれたグレード構成でした。

 高性能モデルのGT4シリーズは、最高出力230馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCターボ「SR20DET型」エンジンを搭載。トランスミッションは4速ATのみでアテーサ4WDシステムを採用し、オンロード性能を重視した高速ツアラーというコンセプトとなっていました。

 外観はスタイリッシュながら派手さを抑えたシンプルなドレスアップでしたが、フロントバンパーから覗く前置きの大型インタークーラーによって、高性能モデルであることを控えめに主張していました。

 その後、2002年のマイナーチェンジでGT4シリーズは廃止され、2005年にはアベニール自体も生産を終了。

 実質的な後継車である「ウイングロード」には、高性能グレードは設定されませんでした。

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●トヨタ「アルテッツァ ジータ」

新ジャンルのスポーツモデルとして定義された「アルテッツァ ジータ」(画像は英国仕様)

 トヨタは1998年に、コンパクトでスポーティなFRセダン「アルテッツァ」を発売しました。デビュー前から「AE86の再来」といわれるなど大いに話題となり、発売と同時に人気を博しました。

 そして2001年には、ステーションワゴンタイプの派生車「アルテッツァ ジータ」が加わりました。

 ボディはセダンのデザインを継承しつつ、ショートルーフのクーペスタイルというスタイリッシュなフォルムを採用。トヨタはセダンでもクーペでもステーションワゴンでもない、新ジャンルのクルマと表現していました。

 搭載されたエンジンはセダンと差別化され4気筒モデルは存在せず、最高出力160馬力の2リッター直列6気筒DOHCと、アルテッツァ ジータ専用に220馬力を発揮する3リッター直列6気筒DOHCが設定されました。

 トランスミッションは2リッターエンジン車に6速MTが用意されるなどドライビングプレジャーを重視。3リッターモデルは4速もしくは5速ATのみで、スムーズかつトルクフルな走行フィーリングに4WDモデルも用意するなどツアラー的な味付けとなっていました。

 足まわりはセダンと共通の4輪ダブルウイッシュボーンで、優れたコーナリング性能を発揮。

 内装もセダンに準じていましたが、リアシートは2:3の分割可倒式とするなど、高いユーティリティも備えていました。

 しかし、日本でも2005年にレクサスブランドが展開されると、アルテッツァはレクサス「IS」へと生まれ変わりステーションワゴンは設定されず、アルテッツァ ジータは一代限りで生産を終了しました。

※ ※ ※

 現行モデルの純粋なステーションワゴンは、スバル「レヴォーグ」、トヨタ「カローラツーリング」「カローラフィールダー」、ホンダ「シャトル」、マツダ「マツダ6 ワゴン」と、国産メーカーでは5車種だけになってしまいました。

 本来、ステーションワゴンは走りの面ではセダンに匹敵し、優れたユーティリティを持つ優等生なクルマです。

 輸入車ではまだまだ豊富なラインナップが展開されていますが、国産モデルでも選択肢が増えれば、再び人気となっても不思議ではありません。

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