「●●レッド」が多すぎる! なぜクルマの「ボディカラー名」は分かりづらい? 名称が複雑化する理由とは
ボディカラーの名称、実は昔から長かった?
マツダの広報担当者は、ボディカラーの名称の起源について「そもそもクルマにボディカラーという概念が誕生した当時から、現在のような『〇〇レッド』という名称がつけられていました」と話します。
クルマが現在のように、多くの人々に活用されるようになったのは、1910年代に発売されたフォード「モデルT」、通称「T型フォード」がはじまりとされています。
かつてのクルマは貴族の乗り物として、一般市民には手の届かないものでしたが、フォードはモデルTを大量に生産し、生産コストを抑えることで幅広い人が購入できるものへと変えていきました。
T型フォードは1930年頃までに1500万台以上が生産され、自動車市場を独占し続けましたが、大量生産が肝となっていたため、コストを抑えるためにラインナップしたボディカラーは基本的に黒1色でした。
一方、1920年から1930年頃にかけて、「キャデラック」や「シボレー」などのブランドを展開するアメリカの「ゼネラル モーターズ(GM)」はさまざまな企業を吸収、提携し、フォードに匹敵する自動車ブランドとなりつつありました。
ひとつのモデルを大量生産することでコストカットを図ったフォードに対して、GMはモデルのバリエーションを豊富にラインナップすることで顧客を獲得。その際、フォードがおこなわなかったカラーバリエーションの展開もおこないました。
実際にボディカラーの塗料開発をけん引したのは、GMのスポンサー企業のひとつであった「デュポン」で、これまでの塗料になかった速乾性とバリエーションの豊かさを実現したといいます。
ボディカラーの名称が複雑であるのは、いまに始まったことではなく、こうした歴史的背景も関係しているのかもしれません。
なお、マツダでは「独自のレッドカラー『ソウルレッド』に改良を重ね『ソウルレッドプレミアムメタリック』を開発、そして現在では『ソウルレッドクリスタルメタリック』をラインナップしています。
ソウルレッドのネーミングには「魂をゆさぶる赤」という意味合いが込められており、そのコンセプトは変えずに、塗装の工法や重ね塗りの仕方などに工夫をこらして、クルマの造形が美しく見えるように改良を重ねているといいます。
ボディカラーは、色彩の調合だけでなく、こうした塗り方にも研究が重ねられており、細やかな部分にまでメーカーのこだわりが詰まっているのです。
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