なぜクルマのドアノブ「フラット型」減った? いまや「グリップ型」が主流の理由は? 一部で「フラット型」残る訳

クルマの性能とともに、デザインも変化を続けています。そのひとつとしてドアノブが挙げられます。かつては「フラップ型」が主流でしたが最近では「グリップ型」へと変化しています。そこにはどういった理由があるのでしょうか。

一枚板が美しい?ドアハンドルの美学

 しかし、前述したようにフラップ型のドアハンドルは、採用がなくなったわけではありません。

 実際に「NSX」や「ヴェゼル」(ヴェゼルはリアドアのみ採用)では、フラップ型を採用しているといいます。

 では、フラップ型のドアハンドルにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 ホンダの担当者によると、NSXやヴェゼルでは「デザインを優先してフラップ型を採用している」といいます。

 フラップ型には、クルマのドアを“一枚板”に見せる効果があります。

 ドアハンドルの存在感を限りなく薄くすることで、ボディのラインをより伸びやかに表現し、モデルごとのキャラクターを強調できるというメリットがあります。

 例えば、スポーツカーの場合には、より流動的でスピード感のあるフォルムが演出でき、SUVであればボディのラインを際立たせ、「カタマリ感」を強調することが可能です。

ホンダ「ヴェゼル」ではフロントドアに「グリップ型」、リアドアに「フラット型」を採用している
ホンダ「ヴェゼル」ではフロントドアに「グリップ型」、リアドアに「フラット型」を採用している

 さらに、フラップ型のメリットについて、マツダの広報担当者は「空力が良い点が挙げられます」と話します。

 フラップ型はドアハンドルがボディとフラットに近い状態なので、グリップ型に比べて空気抵抗が少ない特性をもちます。

 そのため、スポーツ走行が目的とされたスポーツカーでは、とくにフラップ型が有効的です。

 加えて、風切り音を軽減することもでき、静音性の観点でも効果が期待できます。

 最近では採用が減ったフラップ型ですが、デメリットだけでなく、こうしたメリットもあり、今後かならずしも無くなる訳ではないようです。

 ちなみに、2020年10月に発売された「ホンダe」では、フロントドアに格納式のドアハンドルを採用。鍵を解錠することでドアハンドルが飛び出る仕様となっており、その後のドアの開け方はフラップ型のようなかたちです。

 なお、リアドアは通常のフラップ型となっており、ホンダの担当者によると、ホンダeのドアハンドルもデザイン性を優先して開発されているそうです。

※ ※ ※

 また、商用車の多くはフラップ型を採用している例が多くあります。

 その理由ついてダイハツの担当者は「商用車の場合、出来るだけ室内空間を確保するためにフラット型を採用していることがあります」と説明しており、前述の使い勝手同様にデザインよりも機能によることが挙げられていました。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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