タフさ全開の外観が超カッコイイ! 魅力的なデザインのクロカン車3選
多くのクルマの場合、外観だけでそのクルマがどういう目的でつくられたかが理解できます。なかでも悪路走破性の高いクロスカントリー4WD車は、見た目にもタフな印象です。そこで、無骨な見た目が大いに魅力的なクロカン車を、3車種ピックアップして紹介します。
タフな見た目が魅力的なクロカン車を振り返る
クルマの外観デザインは販売台数を左右するほどの重要な要素ですが、さらにそのクルマのキャラクターを表しているケースもあります。
たとえばスポーツカーならばシャープで速そうな見た目で、高級セダンならば重厚感のあるデザイン、そして悪路走破性が高いクロスカントリー4WD車は、タフなイメージを表現しています。
クロカン車の多くはフラットで切り立ったフロントフェイスにスクエアなフォルムを採用していますが、ボディの四隅の見切りが良く、車両感覚がつかみやすいという利点があります。
また、全高を高くしてロードクリアランスを確保しつつ、ドライバーの目線を高くすることで路面状況を確認しながら走行できるなど、すべてが機能的にデザインされています。
そこで、無骨な見た目が大いに魅力的なクロカン車を、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「テラノ」
日産は1986年に、まったく新しいクロカン車として初代「テラノ」を発売しました。
前年にデビューしていた「D21型 ダットサントラック」のラダーフレームを使い、ステーションワゴンタイプのボディを架装するかたちで開発され、外観デザインもダットサントラックと共通項がありました。
発売当初は2ドアのみのボディで、アメリカのライトトラックをベースとしたSUVをイメージさせる優れたデザインが高く評価され、たちまちヒット作となりました。
搭載されたエンジンは2.7リッター直列4気筒OHVディーゼルエンジンのみでしたが、1987年には3リッターV型6気筒ガソリンエンジン車を追加ラインナップ。駆動方式は全車パートタイム4WDです。
また、当時のクロカン車としては少数派だった4速ATを設定するなど、イージードライブを求めるユーザーにも配慮していました。
サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアがリジッドアクスルで、ロングストロークに設定され悪路走破性が高められました。
そして、RVブームの兆しが見え始めていた1989年に、より使い勝手を向上させた4ドアモデルが追加され、ラインナップを盤石なものとしました。
テラノは日本だけでなくアメリカでも「パスファインダー」の名で大ヒットし、2021年2月には5代目となる新型が北米市場向けに発表されました。
●ダイハツ「ラガー」
ダイハツは2019年11月に、コンパクトSUVの「ロッキー」を発売。このロッキーという車名は、かつて同社がラインナップしていたクロカン車が元祖でした。
さらにダイハツにはもう1台のクロカン車の「ラガー」がありました。
1984年に登場したラガーは、1974年発売の初のクロカン車である「タフト」の後継車として開発されました。
ラダーフレームに2ドアのショートボディを架装し、サスペンションは堅牢な前後リーフリジッドという、クロカン車としては王道の仕様で、高い悪路走破性を実現。
ボディタイプは車体後部が幌の「ソフトトップ」とFRP製の「レジントップ」、すべてスチール製ボディの「ハードトップ」の3タイプが展開されました。
また、デザインは都会的な雰囲気のロッキーに対し、ラガーはクロカン車であることを全面に出したタフな印象でした。
パワートレインは1種類のみで、2.8リッター直列4気筒OHVディーゼルターボエンジンに5速MTが組み合わされ、駆動方式はパートタイム4WDです。
ロッキーとラガーという2台のクロカン車が同時期に販売されていましたが、1997年に両車とも国内向けの生産を終了。
その後も欧州やインドネシアでラガーは継続して販売されましたが、2007年に消滅しました。
●トヨタ「ランドクルーザー 70」
トヨタが誇るクロカン車の「ランドクルーザー」といえば、2021年8月に発売された新型の「ランドクルーザー 300」が大いに話題となり、今では納期が4年程度になるほど世界的な人気ぶりです。
このランドクルーザーシリーズには「ランドクルーザープラド」が該当する「ライトデューティ」、300が該当する「ステーションワゴン」、そしてもっともタフなモデルが「ヘビーデューティ」と、3タイプに分かれています。
このヘビーデューティに該当する現行モデルがランドクルーザー 70で、1984年に40系の後継車として誕生しました。
ボディは発売当初はショートボディのバンとソフトトップ、ミドルボディのレジントップをラインナップし、全車3.4リッター直列4気筒OHVディーゼルを搭載。トランスミッションは5速MTのみで、駆動方式は全車パートタイム式を採用。
シャシは堅牢なラダーフレームにボディを架装した構造で、足まわりは初期のモデルでは前後リーフスプリングのリジットアクスルとされ、強度と耐久性を重視していました。
また、幅広い用途に対応するため海外向けも含めると2310mmから3180mmの範囲で5種類のホイールベースが用意され、ボディを架装しない特装車用「キャブシャシ」も設定し、1990年には国内でもセミロングボディの4ドアバンが追加されました。
その後、2004年にランドクルーザー 70は国内販売を終了しましたが、海外では信頼性が高く評価され、現在も海外専用車種として販売が続いています。以来、フロントフェイスなどのデザインやエンジンは一新されましたが、フルモデルチェンジはおこなわれていません。
なお、このランドクルーザー 70は、誕生30年という節目を迎えた2014年に、期間限定ながら国内市場で復活しました。
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現在、世界的に高い人気を誇っているSUVですが、直近ではクロカン車に近いタフなモデルがトレンドになりつつあります。
とくにアメリカでは車中泊やキャンプをしながら移動工程を楽しむ旅のひとつである「オーバーランディング」が流行しており、SUVにも高い悪路走破性が求められ、各メーカーからオーバーランド仕様が次々に登場しています。
日本でもランドクルーザー 300が人気となっているように、タフなSUVが注目を集めそうです。
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