2色ライトで歩道も車道もOK!? 「電動キックボード規制緩和」方向性が見えてきた!
歩道も車道もOKにする「識別点滅灯火」とは
また、注目されるのは識別点滅灯火の保安基準です。
道交法改正では、6km/h以下で走行する場合、現行の電動車いすなどと同じ歩行者扱いとする案があるため、歩道通行車モードと、車道を通行する小型低速車モードの切り替えを想定しています。
走行モードが他人から見ても分かるよう、案では、歩道通行車モードだと緑色、小型低速車モードだと水色の識別点滅灯火が一定周期で点滅する装置の装着が義務化されます。
スピードリミッターについては、下り坂での加速も考慮して、最高15~20km/hとします。
そのほかには、電動キックボードの車輪が小さいことで、段差の乗り越えでの性能試験もおこなうことを想定しています。
走行安定性の保安基準・試験法は、くぼみ・傾斜出口、段差(垂直)、段差(カーブ)、斜面の4項目で、最高速度と8km/hの2つの速度で実施します。
バッテリーは、UN規則、EN規格、航空・船舶の輸送規格、PSEマーク(電気用品安全法に基づく表示)など、国内法令などに規定される基準・規格に適合するものとします。
そして、型式認定も実施する予定です。
電動車いすなど、歩道通行が可能な乗り物と原動機付き自転車の中間として、小型低速車という考え方を用いる予定ですが、小型低速車についても原動機付き自転車と同様に、現行の地方運輸局による型式認定を受けることを義務化するという案です。
このように、道路運送車両法のおいても、電動キックボードに関するさまざまな規制緩和が実施される可能性が高まってきました。
こうなってくると、すでに販売されている電動キックボードと、新たに規定される小型低速車に属する電動キックボードとの違いについても、ユーザーに向けた丁寧な説明が必要になると思います。
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電動キックボードをめぐる事情を理解するため、筆者(桃田健史)も実際に購入して日常的に使用するようになりました。
役場に書類を提出して原動機付き自転車のナンバーの交付を受け、保険会社で自賠責保険と任意保険に加入し、そしてヘルメットを着用して電動キックボードのある生活を始めています。
今後、小型低速車としての電動キックボードがどのように周知され、そして普及していくのか、さまざまな視点から見守っていきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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