全長5m超えトヨタ巨大ミニバン「シエナ」ひっそり展示! イケ顔デザイン&使い勝手重視! 開発秘話を聞いてみた!
北米ならではの「譲れないポイント」は? 日本導入は本当に無いの?
また、デザイン優先とはいえ使い勝手や走りへのこだわりもあります。
ひとつが、アメリカで盛んなDIYでよく使われる大きなボードが積めないミニバンはダメ、という神話にならって、しっかり積める荷室にしたこと。
LDT(ライトデューティトラック)要件を満たすと燃費規制がゆるくなることから、その要件のひとつである荷室がフルフラットになることもクリア。
デザイン重視でも、ミニバンとして求められるユーティリティは備えているのがシエナです。
ふたつ目は、先代までは3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載していましたが、新型から全車が2.5リッターエンジンと第4世代のTHSーIIハイブリッドシステム+CVTというラインナップとなったことで、走りのフィーリングに違和感が出ないようにこだわった点です。
北米ユーザーは、一般的にラバーバンドフィールを好まないことから、V6のようにとはいかないまでも、なるべくリニアな乗り味が出せるように開発したとのこと。
その甲斐あって、今のところおおむね好評で、1タンクで1000km走行が可能な燃費の良さも満足いただいていると、水澗氏は話していました。
実際に水澗氏も日本であちこち走ってみて、高速道路がとてもラクだと実感したそう。
そうなるとやはり、乗ってみたいと思ってしまうのが私たちですが、日本導入の可能性は本当にゼロなのでしょうか。
これまでは北米生産だけだったので、逆輸入するにはそれなりにコストがかさむことは想像できますが、新たに中国生産がスタートした今なら、ハードルは低くなったのではないでしょうか。
実は、中国ではアルファードがラグジュアリーMPVというカテゴリーをけん引し、ブランドイメージを築いてきたなかで、今後さらにラグジュアリーMPV市場が拡大することは間違いなく、アルファードに続くモデルとしてもっと早く欲しいといわれていたとのこと。
しかし、全長5.1m超、全幅1.93m超のボディは「ハイランダー」より大きく、既存の工場の塗装路を通すことができなかったといいます。
今回は、天津に第4工場の新設が決まり、それに合わせて新型シエナの導入が実現したということでした。
ただ、北米でも中国でも右ハンドルは生産しておらず、今後の予定についてもハッキリNOとはいいませんでしたが、日本市場に導入する可能性は低そうです。
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中国では、トヨタとして初の現地生産ラグジュアリーMPVということで、まずは中国ユーザー向けにじっくりと育てていきたいというところかもしれません。
ビュイック「GL8」やフォルクスワーゲン「ヴィロラン」といった魅力的なライバルも多い、中国のラグジュアリーMPV市場。ぜひ今後、日本にも飛び火してきて欲しいものです。
全高が低いミニバンは日本では売れないから出ないでしょ。