全長5m超えトヨタ巨大ミニバン「シエナ」ひっそり展示! イケ顔デザイン&使い勝手重視! 開発秘話を聞いてみた!
北米やアジアなどで展開されているトヨタのフラッグシップミニバン「シエナ」。日本には2台のナンバー取得車が存在し、新型「ノア/ヴォクシー」の試乗会で展示されました。新型シエナはどのようにして開発されたのでしょうか。
日本に2台しかない、トヨタのフラッグシップミニバン「シエナ」とは
北米を中心に人気を博し、2020年10月に登場した新型からは中国市場にも導入されたグローバルフラッグシップミニバンのトヨタ「シエナ」。
現在のところ、日本導入はないとはいうもののサプライズ的にトレッサ横浜やカラフルタウン岐阜という商業施設に展示されたことで、「もしかしたら?」とコアなファンたちをザワつかせているのです。
そこにきて、2022年2月にメディア向けに開催されたトヨタのイベント会場で、日本に2台だけあるというナンバー付き新型シエナの姿を発見。
さっそくその内外装をチェックするとともに、開発を担当したトヨタ車体のZH1チーフエンジニア・水澗英紀氏に開発秘話をお聞きしました。
まずは、日本では「エスティマの再来か」といわれている、現行ミニバンにはない未来的でスタイリッシュなデザインについて。
ボディサイズは全長5184mm×全幅1993mm×全高1770mm×ホイールベース3060mmと「アルファード」よりも大きいシエナですが、室内空間をむやみに拡大するよりも、その大きさを使ってデザインにこだわりたかったのだといいます。
その理由として水澗さんは、モデルチェンジを控えた開発中に、北米のユーザーから吸い上げた声が大きかったそうです。
「北米のユーザーは、日本のノア/ヴォクシーと同じように小さなお子さんのいるファミリーがメインです。
なので、バリューフォーマネーも大事ですが、よくアメリカでは“サッカーママ”といわれますが、ミニバンは便利だけど、高級レストランなどに乗りつけたりするとちょっと恥ずかしい。
子供のために仕方なく乗っているような気持ちになってしまう、という声が多かったのです」
そこで新型シエナのデザインは、多少コストがかかってもとにかくカッコよさを優先。
ボディサイドの上下を貫くキャラクターラインや、リアフェンダーにかけてのエッジの効いた意匠を実現するため、スライドドアにアルミを使ったほどだといいます。
サイドにまで回り込むようなテールランプなど、とことん妥協したくなかったことがよくわかるような、凝ったデザインが目をひきます。
今回チェックしたのは「XSE」というスポーティグレードで、フロントグリルがメッシュタイプで精悍な印象となっていますが、もうひとつのグレード「プラチナム」ではフロントグリルがプレミアム感を演出するデザインのようです。
また、インテリアでもスタイリッシュで先進的な印象を与える「ハイブリッジコンソール」を採用。
北米では従来のミニバンのインテリアに対して、「まっ平なインパネ」だと「バスみたい」といわれてしまうため、新型シエナではコクピット感を優先して、運転席に座ったときにちゃんと自動車らしさが感じられるように配慮したそうです。
水澗氏は「一部のユーザーからは、ウォークスルーができないとお叱りをいただいていますが、そこを守るよりはインテリアでもデザインを優先して、新しいミニバンの魅力を追求したかったという思いがあります」と語っています。
また、カップホルダーの高さが自然と手が伸びる位置にくるなど、使い勝手も悪くないといいます。
そうしたなかで、北米市場で購入者の評価ポイントを見ると、1番がスタイルで、2番が100%ハイブリッドによる燃費の良さとなっており、狙いはしっかり伝わっているといえそうです。
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また、2021年からは中国市場にも投入されている新型シエナ。中国のユーザー層は、北米とは違ってラグジュアリーMPVを求めている人たちだといい、中国の人たちは総じて先進的なデザインや豪華装備を好むとよくいわれます。
全高が低いミニバンは日本では売れないから出ないでしょ。