「クルマの突起」新型車からなぜ減少? 高級車の象徴「ボンネットマスコット」を最近見かけなくなったワケ

メルセデス・ベンツやロールスロイスなど一部メーカーは採用し続けている

 法令の改正により、数を減らしたボンネットマスコットですが、現在でも海外ブランドのなかには採用されているモデルも見られます。

 法令では、「鋭い突起を有してはならない」との記載がありますが、一定の条件をクリアすれば、ボンネットマスコットのような突起物でも外装に装着することが可能となっています。

ベントレーの「フライングB」
ベントレーの「フライングB」

 前述の告示のなかには、「装飾部品であってその支持部から10mmを超えて突出しているものは、その先端部分に対し、装飾部品を取り付けた表面に平行な平面内のあらゆる方向から10daNの力を加えた場合に、格納する、脱落する又はたわむものでなければならない」との記載があります。

 10daNとは、およそ10kgの重さを加えたときと同等の状態を指しており、体の一部がボンネットマスコットに力が加わったときに、人への危険性がないように格納や脱落、たわむ必要があります。

 このため、現在もボンネットマスコットを採用しているクルマには、さまざまな工夫が見られます。

 例えば、メルセデス・ベンツ「Eクラス」や「Sクラス」は、衝撃が加わった際にボンネットマスコットが倒れる可倒式を採用しています。

 仮に歩行者や自転車と接触した際には、しっかりと衝撃が緩和されるようになっています。

 またロールスロイスのボンネットマスコットは、衝撃を感知すると車体内部へ格納されるようになっており、衝撃緩和はもちろん盗難防止にも繋がります。

 さらに、こうしてボンネットマスコットが倒れたり、格納されたあとには、「格納、脱落又はたわんだ後に残った突出量が10mm以下」になる必要があるため、両メーカーともに、台座も含めこの規定の範囲内に収まるように設計されています。

※ ※ ※

 さまざまな工夫を施し、採用し続けているボンネットマスコット。

 ブランドを象徴するひとつであることから、簡単に取り払えるようなものではないといえるでしょう。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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