ガルウイングや観音開きが個性的!「ドア」にこだわりすぎたクルマ5選
ドアにこだわるクルマは短命に終わる傾向が…
●ホンダ「ステップワゴン」
ホンダ「ステップワゴン」は3列シートと側面にスライドドアを備えた、オーソドックスなミニバンです。
初代は大人気モデルでしたが、ライバルのトヨタ「ノア/ヴォクシー」、日産「セレナ」など競合がひしめいており、近年そのセールスは好調とはいいがたい状況でした。
そのようななか、2015年に登場した5代目ステップワゴンには、「わくわくゲート」と呼ばれるテールゲートにドアを組み合わせた新開発の機構が盛り込まれました。
ミニバンに新たな価値を付与するわくわくゲートは、通常の上のヒンジで開くリアゲートに、さらに横開きに開くためのヒンジが設けられ、通常の縦開きに加えて横開きもできるという優れものです。
背の高いミニバンは、後ろの壁ぎりぎりに駐車するとリアゲートを全開にすることができません。
しかし、リアゲートの半分の横開きのサブゲートをつけることで、後ろに壁があっても多少の隙間があれば荷物の乗せ降ろしや人の乗り降りができます。
しかし、2020年の一部改良時にはわくわくゲートの非装着車も登場。2022年に発売される新型ステップワゴンにわくわくゲートが採用されないのではないかとのウワサもあります。
わくわくゲートの使い勝手は良いのですが、わくわくゲートを搭載することで非対称となったリアデザインがかなり個性的で賛否を分けたのかもしれません。
●トヨタ「オリジン」
2000年に発売されたトヨタ「オリジン」は、トヨタ累計生産1億台達成を記念して登場しました。
コンパクトな高級セダン「プログレ」をベースとし、1000台限定で発売。エクステリアは、初代「トヨペットクラウン」を思わせるクラシカルなイメージで作られており、トヨペットクラウンと同様に観音開きのドアが採用されました。
観音開きのドアとは、通常のドアがフロント、リアともに車両の前側にヒンジがあることに対し、リアのドアのみヒンジが車両の後側にあり、前後のドアを同時に開けると、仏壇のように左右に大きく開くものです。
フロントヒンジドアと比べ、リアの足元部位が広く開くので、後席の人の乗降性が高まります。そのため、専属の運転手などが運転するような海外の超高級セダンや、ロンドンタクシーなどにも採用されています。
そのほか、2ドア的なデザインでありながら、たまに後席を使う際にも便利に使えるという目的のために、国産車でも意外と観音開きのドアを採用するモデルがたびたび発売されています。
2002年に発売されたマツダ「RX-8」、ホンダ「エレメント」、2006年に発売された「FJクルーザー」などに採用され、最近では2020年に発売されたマツダ「MX-30」にも採用されています。
いずれのモデルも個性的で魅力があるものの、大ヒットというクルマにはなっていない点が、残念ながら観音開きのドアを共通の傾向です。
モーターショーや自動運転車のコンセプトモデルの多くは見栄え感と新しさを演出するためか、観音開きのドアで登場するものが多いようです。
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自動車のデザインや機能は日進月歩であり、常に新しいアイディアが盛り込まれて登場します。
しかし、今回紹介した新たな使い勝手の提案や斬新なデザインなどを具現化したドアを採用したモデルは、のちのモデルに引き継がれることがなく、残念ながらことごとく短命に終わっています。
そうはいっても、ミニバンのスライドドアは定番となっていますし、出た当時は大げさすぎるのではないかと思われていた、電動パワースライドドアや電動リアゲートなど採用が広がり、定番の装備となっています。
定番になれなかった個性的な残念なドアはまだまだ改良の余地はあると思いますので、ぜひさらにリファインして再登板してもらいたいものです。
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