ガルウイングや観音開きが個性的!「ドア」にこだわりすぎたクルマ5選
クルマに乗るときに必ず触れるのが「ドア」です。通常のヒンジドアだけではなく、さまざまな開閉形式を持つドアがありますが、とくに個性的なドアを採用したモデル紹介します。
カモメや蝶々のように開くドアとは?
すべてのクルマにはドアがついていて、必ずドアを開けて乗り降りします。
ほとんどのクルマに採用されているのは、ドアの前側にヒンジが付いている形式ですが、ミニバンの後席側面のドアにはスライドドアが採用されていることが多いです。
そしてクルマの個性と使い勝手を高めるために、変わったドアを採用したモデルがあります。
そこで今回は変わったドアを採用したクルマを5台紹介します。
●マツダ「オートザムAZ-1」
マツダ「オートザムAZ-1」は、1992年に発売された軽自動車のスポーツカーです。
マツダ「キャロル」と同様にエンジンはスズキ製が採用され、兄弟車としてスズキからも「キャラ」という名前でOEM販売もされました。
オートザムは、マツダがアンフィニ、ユーノス、オートラマと5系統のディーラーを構築した際に、比較的コンパクトなモデルを中心に販売したディーラーです。
そのなかでオートザムAZ-1は、世界最小のスポーツカーといわれて注目を浴びました。
ちなみに、AZシリーズとしては、「ユーノスプレッソ」の兄弟車「オートザムAZ-3」やスズキ「ジムニー」の兄弟車の「AZ-オフロード」、スズキ「ワゴンR」の兄弟車の「AZ-ワゴン」などもラインナップされていました。
オートザムAZ-1は、軽自動車では珍しいエンジンをリアに搭載したミッドシップレイアウトを採用し、後輪を駆動するというこだわりの感じられるスポーツカーらしいパワートレインのほか、「ガルウイングドア」を採用したことが特徴です。
ガルウイングとは「カモメの翼」という意味で、ドアのヒンジは天井の中央についており、両側のドアを開けてそのドアをクルマの前から見たときに、カモメが飛んでいるような姿に似ているから名付けられました。
市販乗用車では、メルセデス・ベンツ「300SL」に初採用され、その後、車高の低い高級スポーツカーなどに採用。映画に登場したデロリアンなどでも注目を浴びました。
そのようなこだわりのガルウイングドアを採用したAZ-1でしたが、MTのみの設定だったことや、バブル崩壊も重なり、1994年で販売が終了してしまいました。
●トヨタ「セラ」
トヨタ「セラ」は1990年に発売された4シータの3ドアクーペです。セラはクーペではあるものの、スポーツカーらしい走りを追求したモデルではなく、スタイルを重視したスタイリッシュなデザインが特徴的でした。
全体的に丸みを帯びたスタイルやルーフまでつながるグラスエリアも先進的でしたが、最大の特徴は「バタフライウイングドア」を採用した点にありました。
ガルウイングドアが天井の中央にヒンジがあるのに対し、バタフライウイングドアのヒンジはドア前方と天井の前側の2か所にあります。
そして、ドアを開いた際は、蝶(バタフライ)が羽ばたくような前方側に広がる独特の開き方をします。
ちなみに、セラは1996年まで6年弱販売されましたが、販売台数はあまり多くなく、後継モデルは登場せず1世代で終了しました。
●スズキ「アルト・スライドスリム」
スズキ「アルト」は同社の軽自動車のなかでもロングセラーモデルで、過去にはさまざまなバリエーションが登場しました。
1998年に発売された3代目アルトには、「スライドスリム」と名付けられた変わったドアを備えるモデルがありました。
スライドスリムは、通常のアルトと同様に3ドアではあるのですが、運転席と助手席のドアがスライドドアになっています。
ミニバンなどは後席ドアにスライドドアを採用するのが一般的ですが、スライドスリムは国産車で初となるフロントドアへスライドドアが装備されました。
スライドドアにすることで、狭い駐車場で大きなクルマの隣に止めた際などでは隣のクルマに当たるかどうか心配することなく開閉することができます。
またスライドスリムには回転ドライバーズシートが装備されており、座席ごと横向きになることから足腰の弱った高齢者などが乗り降りしやすい機構となっていました。
1990年のマイナーチェンジでは軽自動車の規格が変わって660ccに排気量がアップし、その際には両側スライドドアが運転席のみのスライドドアに変更。助手席側は2枚の通常のヒンジドアが配置された変則的な4ドア車となりました。
軽自動車ではほとんど1名乗車が多いため、コストダウンされたのでしょう。
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