韓国「尿素水不足」が日本に波及? 価格が10倍まで値上がり? 日本の乗用/商用への影響はいかに

2021年11月頃より、韓国では尿素水(アドブルー)不足が問題となっていましたが、12月に入り日本でも尿素水の価格が上昇しています。そこにはどんな背景があるのでしょうか。

1Lあたり1500円も!高騰するアドブルーの価格

 韓国では、2021年11月頃より尿素水(アドブルー)の不足が顕著となり、産業界へ大きな影響を与えていることが話題となっていました。
 
 一方で、12月に入り日本でも尿素水の価格が上昇しています。そこにはどんな背景があるのでしょうか。

なぜ? 日本でアドブルーが高騰するワケは?
なぜ? 日本でアドブルーが高騰するワケは?

 尿素水とは、アンモニアから精製される尿素と、蒸留水を混ぜ合わせたものであり、一定の割合で尿素を含んだ高品位のものは「アドブルー」という商品名で販売されています。

 このアドブルーは、ディーゼルエンジン車のユーザーにとっては必要不可欠なものです。

 現在販売されているディーゼルエンジン車のほとんどは、「尿素SCRシステム」という排出ガス浄化システムが搭載されており、アドブルーに含まれるアンモニアと、排出ガス中の窒素酸化物を化学反応させて排出ガスを浄化する仕組みとなっています。

 そのため、ディーゼルエンジン車のユーザーは定期的にアドブルーを補充する必要があります。

 アドブルーは1000kmから1500kmの走行で1リッターを消費し、車種によってタンク容量は異なりますが、おおむね1万kmから1万5000km程度走行すると補充するのが一般的です。

 通常、アドブルーは1リッターあたり200円程度で販売されており、ディーラーなどで補充する場合でも、必要な費用は工賃を含めて数千円程度であることがほとんどです。

 しかし、2021年12月10日現在、インターネット上では1リッターあたり1500円程度で販売されていることが確認できるなど、相場は10倍近くまで高騰しています。

 前述の韓国でアドブルー不足が起こった背景には、米中を中心とした世界情勢の動きが関係しています。

 中国の大手電機メーカーであるファーウェイの製品に情報漏えいのリスクがあるとして、米国がファーウェイに対して輸出規制などの措置をとったことから、両国の間に貿易摩擦が生じています。

 また、オーストラリアも米国に追随する形で中国への貿易規制をおこなったことや、新型コロナウイルスの発生源に関して、オーストラリアが国際調査を求めたことが背景にあるようです。

 対する中国も、各国に貿易規制をおこなうことで対抗していますが、オーストラリアに対しては石炭の輸入を停止するなどの措置をとりました。

 当初の想定では、中国国内で採掘される石炭で国内需要がまかなえる見込みでしたが、内陸部で発生した豪雨の影響などで石炭の供給量が増えなかったことも重なり、中国では石炭が不足する事態となってしまいます。

 石炭を用いた火力発電が主流の中国では、石炭不足によって発電量が減り、電力不足が深刻な問題となりました。

 一方、石炭はアンモニアの精製にも必要不可欠であることから、石炭が不足することでアンモニアの供給も滞ることは明らかでした。

 そこで中国政府は、アンモニアの輸出を制限することを決定しましたが、韓国ではアンモニアのほとんどを中国からの輸入に頼っていたため、韓国国内でアンモニアが不足し、その結果アドブルーが不足するという事態となってしまったのです。

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