トヨタ「アルファード」が2000万円 「クラウンミニバン&LM」の高級ミニバン市場がスゴい! 世界初公開された新型「GL8」とは
中国では高級ミニバンが人気を博しています。トヨタ「アルファード」やレクサス「LM」などが挙げられますが、かねてから同市場をけん引しているのがビュイック「GL8」です。中国ではこれらのモデルが凌ぎを削っているといいます。
中国では2000万円を払ってでもアルファードが欲しい人が多い!?
今、中国の高級ミニバン市場はトヨタ「アルファード」や「クラウンヴェルファイア」「シエナ」、レクサス「LM」、ホンダ「オデッセイ」などの日本勢が勢いを増しています。
そこへ待ったをかけるのがゼネラルモータース(GM)のビュイックで、2021年11月に広東省広州市で開かれた広州モーターショー2021にて、同ブランドの主力ミニバンである「GL8」の新たなコンセプトモデルを発表しました。
一方で、日本勢を代表するアルファードの売れ行きはどうなのでしょうか。
月間販売台数を見てみると、毎月2500台前後しか販売されておらず、毎月10位前後に位置しています。一見するとあまり売れていないようですが、これにはアルファード特有の事情が存在します。
大前提としてアルファードやクラウンヴェルファイア(2021年4月にヴェルファイアより改称)は中国においては「輸入車」として扱われていることを知っておく必要があります。
日本車のみならず、多くの外資系メーカーの車種は中国の自動車会社との合弁企業を通じて生産・販売がおこなわれており、トヨタの場合は第一汽車との一汽トヨタ、広州汽車との広汽トヨタが担当しています。
ですが、中国で販売されている車種のなかでも、アルファード、クラウンヴェルファイア、GR 86、GR スープラなどは中国国内で生産されていないため、輸入車特有の制約が課せられます。
具体的には、輸入車であるために関税の課税、そして1か月に輸入できる台数が決められていることからの不安定な供給体制などです。
関税に関しては、これを回避するためにさまざまな自動車メーカーが中国国内での現地生産をおこなっていますがレクサスやGRをはじめとした一部の高級車やパフォーマンスモデルは一定のクオリティを保つために中国で生産をおこなわず、輸入モデルとして扱われます。
もうひとつである不安定な供給体制ですが、これは中国向けに割り当てられているアルファードの台数に起因します。
どの月の販売台数を見ても約2000台、良くて2500台を超える程度なのですが、これは「それだけしか売れていない」のではなく、「それだけしか売ることができない」ということを示しています。
そしてアルファードは中国でも大人気で、多くの富裕層から支持を得ています。
月に販売できる台数が決まっているのに、人気と需要だけは高くなり続ける。そんな現象が続くと、信じられないことが起きるのです。
それは、アルファードを手に入れるために日本円にして約2000万円もの大金を払うようなユーザーが現れるのです。
これは一体どういうことなのでしょうか。
アルファードの中国国内における希望小売価格は83万9000元(邦貨換算:約1497万5000円)です。
日本仕様で一番高いグレード「HYBRID Executive Lounge S(7人乗り/E-Four)」が775万2000円なので、この時点でも日本に比べたら遥かに高いモデルとなっていますが、これは前述の通り輸入車に対して課税される関税の影響です。
そしてここからがポイントとなりますが、割り当てが少ないモデルであるために、ディーラーはいち早く納車を希望する購入者に対し、追加料金を支払うことで優先的に納車することを提案します。
その追加料金は平均して25万元(約446万2100円)とのことなので、前述の通り、本当に2000万円近くのお金を出してアルファードを手に入れることになります。
ここまで中国で人気がある理由は、内装や装備、快適性などのアルファード自体の完成度ももちろんですが、香港のエンターテインメント界におけるスターなどがアルファードを送迎車として使ってきたからということも影響しています。
そういったスターが使うモデルなのだからさぞかし良いものだろうと考え、多くの中国人がアルファードを求めていくようになりました。
人気なのは新車市場だけではありません。なんと、新車での入手困難さが影響し、中古車市場でもとんでもない価格高騰が起きている状態となっています。
前述の通り、車両本体価格は83万9000元(邦貨換算:約1497万5000円)となっていますが、中古車サイトではナンバープレートが交付されていない新古車が軒並み150万元(約2677万3000円)前後。
また、6万キロ近く走ったヴェルファイアも新車より高い90万元(約1606万4000円)という高価格で掲載されています。
優先的に納車してもらうための多額な追加料金を支払えない人は、ベースの価格よりは少し高いものの、追加料金を払う分を考えればまだ安い新古車・中古車を選ぶしかないということなのです。
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こういう点からもアルファードは、ほかのミニバンとは一線を画す、唯一無二の存在であることがわかります。
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