スバル新型「WRX S4」あえて樹脂パーツを装着!? SUV風ではない! 樹脂採用のふたつの理由とは

スバル新型「WRX S4」の日本仕様が発表されましたが、北米で世界初公開されたときに話題になった樹脂パーツが装着されます。SUVではなく、パフォーマンスセダンに樹脂パーツが装着されたのはなぜなのでしょうか。

コンセプトカーを忠実に再現した新型「WRX S4」

 スバルのパフォーマンスセダン「WRX S4」が、7年ぶりにフルモデルチェンジをおこない、5代目へと刷新されます。

 すでに2021年9月10日に北米仕様が世界初公開されていますが、今回日本仕様の詳細が明らかになりました。

5代目となるスバル新型「WRX S4」
5代目となるスバル新型「WRX S4」

 新世代のAWDパフォーマンスカーとして進化した新型WRX S4は、従来モデルの2リッターターボから排気量をアップした2.4リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載。

 スペックとしては、新開発の2.4リッターターボエンジンの最高出力は275馬力、最大トルクは375Nmと、従来モデルに搭載された2リッターターボの300馬力/400Nmと比べると下がっているものの、排気量のアップによる低速トルクの豊かさによって発進や中間加速は速く、車重が増えたにもかかわらず、加速性能は新型WRX S4のほうが上回るといいます。

 また、トランスミッションには、リニアトロニックCVTが進化した新開発の「スバルパフォーマンストランスミッション」が採用されます。

 このスバルパフォーマンストランスミッションは、変速速度を高速化。現行WRX S4と比べて50%高速化したCVTにより、ツインクラッチのDCT構造のベンチマーク車のトップクラスと同等の変速速度を実現しました。

 WRX史上最高の操縦安定性実現に向け、2020年にフルモデルチェンジした「レヴォーグ」で培った技術を多く採用しています。ボディには、スバルグローバルプラットフォームとフルインナーフレーム構造を採用。セダンならではのリアの強固な構造で、操縦安定性を高めました。

 新型WRX S4はデザインも進化。2017年の東京モーターショーで発表された「ヴィジヴパフォーマンスコンセプト」を元に、量産車両に落とし込みました。

 ボディサイズは全長4670mm×全幅1825mm×全高1465mmと現実的なサイズとしていますが、コンセプトカーに盛り込まれた意匠を忠実に再現。

 いまにも走り出しそうな勢いを感じるスタイルに、ヘキサゴングリルからはじまる塊感のあるボディなど、パフォーマンスセダンに相応しい、アグレッシブでスポーティなスタイルを実現。

 ヘッドライトとテールライトもWRX S4独自の「コの字」の特徴的なデザインとするとともに、テールライトは溶けたマグマのように光る新形状のライトを採用しました。

 新しくなった新型WRX S4のデザインなかでも特徴的なのが、バンパーやフェンダーなどに採用された黒い樹脂パーツです。

 2021年9月の世界初公開時にはさまざまな意見が聞かれたこの樹脂パーツですが、新型WRX S4には欠かせないパーツであり、ふたつの意味があるとスバルはいいます。

 ひとつめはデザイン性です。前述のように、コンセプトカーのヴィジヴパフォーマンスコンセプトを再現するにあたり、同コンセプトカーに採用されていたブラックパーツを踏襲。コンセプトカーでは前後のタイヤフェンダーにカーボンパーツを装着していましたが、市販車では樹脂パーツを採用しました。

 ふたつめは機能性です。この樹脂パーツには空力効果のある六角形のパターン(空力テクスチャー)が施されています。深さ45マイクロという小さなものですが、ゴルフボールにも採用されるディンプル効果を狙って設けられました。

 このディンプル効果により、空気を張り付けたり剥離を抑制することが期待でき、クルマにかかる力を抑え、高い直進安定性や操縦安定性を実現するといいます。

 空力テクスチャーは前後のタイヤフェンダーと前後バンパー、サイドシルに施され、空気の流れを整流して操縦安定性を向上に寄与する重要なパーツとして装着されました。

 新型WRX S4の開発責任者の五島賢氏は次のようにいいます。

「WRXのデザインの魅力はフードにあるターボダクトのように、デザインがフェイクでなく、機能があることです。

 2021年9月に新型WRXを発表以降、サイドガーニッシュなどがアグレッシブすぎるというコメントもいただいておりますが、WRXはオンリーワンの存在と考え、独自のデザインを重視しました」

 SUVに採用される樹脂パーツは力強さの演出や傷つき防止の役割を果たしますが、WRX S4の場合は役割が異なっており、コンセプトカーのデザインを忠実に再現するため、さらにそこに運動性能を高める空力テクスチャーを取り入れるために、塗装したパーツではなく樹脂パーツが不可欠だったというわけです。

 ほかにも、フロントフェンダーやリアパンパ―(左右)に設けた「エアアウトレット」はタイヤハウス内にたまる圧力を逃がすことで、タイヤの接地性を高める効果があるなど、操縦安定性向上のためのアイテムが新規開発されました。

※ ※ ※

 新型WRX S4の登場とともに、ステーションワゴンのレヴォーグにも同じ2.4リッターターボエンジンとスバルパフォーマンストランスミッションを搭載した高性能グレードが追加されました。

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