なぜ「富士山ナンバー」誕生した? 山梨・静岡の合同ナンバープレート 実は絵柄が2種類あった!?
ナンバープレートの左上には「品川」「横浜」などの地名が見られますが、山梨県や静岡県では「富士山」ナンバーが存在します。なぜ地名ではない富士山という名称が存在しているのでしょうか。
「富士山」ナンバーはなぜ生まれた?
クルマに取り付けられているナンバープレートには、一連指定番号と呼ばれる4桁の数字や、クルマの用途を表示しているひらがななど、さまざまな情報が書かれています。
また左上には「品川」「横浜」など、各地域の地名が書かれていますが、山梨県や静岡県では「富士山」と書かれたナンバーが存在しますが、なぜ地名ではない富士山ナンバーが誕生したのでしょうか。
従来のナンバープレートに表示されている地名は、クルマの使用本拠地を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所の名称が表示されていました。
そんななか、国土交通省は2004年11月から新たな地域名表示ナンバープレートの導入することを公表。
当時の「新たな地域名表示ナンバープレートの導入について」の資料によると、地域振興や観光振興などの観点から、自動車検査登録事務所の新設の有無に関わらず、新たな地域名表示を認めることとしています。
対象となる地域名表示の基準としては、「一定のまとまりのある複数の市町村の集合が原則で一般に広く認知された地域であること」、「登録されている自動車の数が10万台を超えていること」などが挙げられます。
地域名の基準には、「地域名が全国的にも認知されている」、「読みやすく覚えやすいこと」、「原則として漢字2文字で最大4文字までとし、ローマ字は認めないものとする」などの基準が設けられています。
こうしたご当地ナンバーの導入は2006年から開始され、仙台、会津、つくば、川越、伊豆などさまざまな地域のご当地ナンバーが交付され、2年後の2008年に富士山ナンバーの交付が開始されました。
富士山ナンバーの導入について、国土交通省の担当者は以下のように話します。
「ご当地ナンバーをはじめるにあたって、富士山周辺地域自治体により創設された『富士山ナンバー創設促進協議会』の団体によって手が挙げられ、富士山ナンバーが生まれました。
従来ではふたつの県が合同でご当地ナンバーを出す事例がなかったため、ほかの地域と比べて少し遅れての導入となりました」
この富士山ナンバーの対象地域は、山梨県側が富士吉田市、西桂町、富士河口湖町、山中湖村、鳴沢村、忍野村、道志村の1市2二町4村、静岡県側は、富士宮市、富士市、御殿場市、裾野市、小山町、芝川町の4市2町となっています。
2018年には図柄入りの富士山ナンバーの交付も開始され、山梨県では葛飾北斎の浮世絵をテーマに、静岡県では富士山とのどかな裾野に広がる田園風景がテーマに図柄に描かれています。
国土交通省では、全体の富士山ナンバーを所有しているクルマの台数の統計はおこなっていないそうですが、図柄入りナンバーの2021年10月末時点での所有台数は、山梨県で3019件、静岡県では8845件と、一定のユーザーが図柄入りナンバーの登録・届出をおこなっているようです。
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この富士山ナンバーについて、SNSでは「山梨でレアな富士山ナンバー見れた!」「静岡県に入ったら富士山ナンバー大量発生」といった声が見られています。
その一方で、「富士山ナンバーダサい」「地元民からすると富士山ナンバーダサく見える」「富士山ナンバー必要ないよ」など、富士山ナンバーに関して賛否両論の意見がみられています。
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