スポーツカーじゃないけど気合がすごい? ある意味ストイックな車3選

速く走ることに特化したスポーツカーのなかでも、軽量化のために装備を削ぎ落としたストイックなモデルがあります。一方で、スポーツカーではないものの、いろいろと気合が入ったモデルも存在。そこで、ある意味ストイックなクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

スポーツカーならずともストイックなクルマを振り返る

 レーシングカーは速く走ることだけを追求して開発されるため、市販車に搭載されるような快適装備が外されるのが一般的です。

スポーツカーと方向性は異なるものの、ある意味ストイックなクルマたち
スポーツカーと方向性は異なるものの、ある意味ストイックなクルマたち

 公道を走るスポーツカーのなかにもレーシングカーに近いコンセプトで開発され、快適装備がほとんど付いていないモデルもあります。

 装備を省くことは軽量化に繋がり、運動性能が向上しますが、その分ドライバーはいろいろと我慢が強いられることになります。

 そんな速く走ることをストイックなまでに追求したクルマがある一方で、スポーツカーとは異なる次元で、ストイックなクルマも存在。

 そこで、意外な理由でストイックと思えるクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「アルト エコ」

低燃費を実現するためストイックなまでに軽量化と改良が図られた「アルト エコ」

 1979年に誕生したスズキ初代「アルト」は、47万円という衝撃的な低価格によって大ヒットを記録しました。とにかく装備や余計な加飾を排除して低価格を実現しており、かなりストイックなモデルでした。

 その後、アルトはスズキの主力車種として代を重ね、2011年には7代目をベースにしたユニークなモデルが登場。それは、低燃費を追求した「アルト エコ」です。

 アルト エコは最大のライバルであるダイハツ「ミライース」に対抗するために開発されたモデルで、いわゆる「第3のエコカー」と呼ばれました。

 低燃費化の手法としてポピュラーな軽量化では、エンジンルームまわりの骨格をはじめエンジン本体や足まわり、内装に至るまで、さまざまな部品の見直しによってベースモデルから20kgもの軽量化を実現。

 燃料タンク容量は、ベース車が30リッターだったのに対し20リッターと少なくなっており、満タン時での重量を削減しました。

 メカニズム的には、停車直前にエンジンをストップさせる新たなアイドリングストップシステムを搭載し、エンジン本体では摩擦損失を徹底的に低減していました。

 ほかにも車高を15mm下げつつ専用のバンパーによって空気抵抗の低減が図られ、さらに転がり抵抗が低いエコタイヤの装着や、ブレーキの引きずり抵抗を削減することで、JC08モード燃費30.2km/Lというクラストップの低燃費を達成しました。

 また、2013年の改良ではさらに20kgも軽量化して車重が710kgとなり、減速エネルギーから発電して電装品を駆動する「エネチャージ」の採用などで燃費は33.0km/L(JC08モード)に向上。

 モデルライフ末期の2014年には35km/L(同)まで向上するなど、アルト エコはまさにストイックに低燃費化を追求したモデルでした。

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●ダイハツ「ミゼットII」

これ以上は無理というくらいシンプルさを追求した「ミゼットII」

 1950年代から1960年代にかけての日本の高度成長期に、個人商店の物流を支え大ヒットを記録したのが軽3輪トラックのダイハツ「ミゼット」です。

 最高出力はわずか8馬力ながら軽量な車体でオートバイよりも積載能力が高く、狭い路地でも入れる超小型のボディ、そして安価な価格から1957年から1972年までに累計31万7000台を販売しました。

 その後、4輪の軽トラックや軽バンが普及するとミゼットの役目は終了しましたが、1996年にダイハツは、ミゼットのコンセプトを受け継いだ軽4輪トラックの「ミゼットII」を発売しました。

 ミゼットIIのボディサイズは市街地での機動性や、都市部での駐車を容易にするために、軽自動車規格よりもあえて小さく設計され、さらに軽量なボディによる低燃費化も図られていました。

 フロントフェイスはスペアタイヤをセンターに搭載して丸目2灯のヘッドライトを配置するなど、外観はどこから見ても個性的で、お店の看板的な役割りとなることも考慮したといいます。

 デビュー当時、室内は1シーターのひとり乗りで、後にATモデルに2シーターを追加。快適装備はヒーターくらいに留めて重量とコストを削減。車重は550kg(Dタイプ)を実現し、価格は製造工程の多くを手作業としながらも46万9000円(消費税含まず)からと安価に設定されました。

 斬新なデザインとコンセプトでミゼットIIは大いに話題となりましたが、もはや高度成長期ほどの需要は無く、2001年に生産を終了しました。

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●スマート「クロスブレード」

運転するにはかなりの覚悟が必要だったと思われる「クロスブレード」

 1998年に、ダイムラーとスイスの時計メーカーであるスウォッチは共同でMCC(マイクロカーコーポレーション)を設立し、スマート「シティークーペ」(後に「フォーツー」に改名)を発売しました。

 全長はわずか2500mmで2シーターとし、強固なモノコックシャシ「トリディオンセーフティシェル」を採用したことで、メルセデス・ベンツ「Eクラス」との衝突でも乗員を保護する高い衝突安全性を確保し、シティコミューターとして欧州で大ヒットを記録。

 そして、2001年にはオープンカーの「フォーツー カブリオ」をベースに作られた「クロスブレード」が誕生しました。

 クロスブレードはもともとショーカーとしてつくられたモデルで、屋根はおろかフロントウインドウも撤去され、ドアはパネルタイプではなくバータイプのものが装着されるのみと斬新なデザインが好評を博したことから、ほぼショーカーのままのデザインで限定車として発売されました。

 ほかにもバンパーやフェンダー、ホイールなどがスタンダードモデルと異なり、内装の素材は防水処理が施されていましたが、ソフトトップの設定はありません。

 駐車中に内装を保護するトノカバーはありましたが、走行中に雨が降っても濡れるしかないという、乗員にとってかなりストイックなモデルでした。

 日本でも2002年に25台が限定販売され、さらに2003年に34台が追加で販売されました。今も中古車がわずかながら流通しているので、興味がある人は入手可能ですが、走行中は視線に耐えられないかもしれません。

※ ※ ※

 前述のとおりレーシングカーは快適装備が省かれているのが一般的となっていますが、近年はレーシングカーでもドライバーの疲労を低減するために、快適装備を搭載しているケースもあります。

 たとえば、軽量なフォーミュラーカーでもパワーステアリングは広く普及しており、長時間・長距離の走行をおこなう耐久レースのマシンではエアコンを装備しています。

 昔はドライバーの体を冷やすために水を循環するクールスーツが使われましたが、システムの信頼性が高いとはいえず、最近のレーシングカーではエアコンの冷風を直接ドライバーの体にあてる仕組みを採用するようになりました。

 実際に真夏のレースでは熱中症で意識を失うこともあるので、レーシングカーといえども信頼性の高いエアコンは必需品といえるでしょう。

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コメント

1件のコメント

  1. このサイトの写真は拡大・切り抜きばかりで見づらいですね