新型好調のロードスター、初代人気が再燃 お手ごろ価格には落とし穴も

“激安物件”もあるけれど…

 ここで少し、「ロードスター」の歴史を振り返りましょう。

 初代「ユーノス・ロードスター」は1989(平成元)年に発売され、幅広い世代の注目を浴び、社会現象のような人気となりました。その人気は国内にとどまらず、世界的ヒットモデルへと成長。総生産台数は、なんと約43万台にも達しています。

 この成功はのちに、世界の自動車市場に多大な影響をもたらしました。メルセデス・ベンツ「SLK」やBMW「Z3」、フィアット「バルケッタ」など、世界中の老舗自動車メーカーが、こぞって手頃なオープン2シーターを送り出すことに繋がったのです。

 それだけに当時、「ユーノス・ロードスター」のオーナーだった人、また憧れていた人は多くいます。そんな彼らは既に子離れをし、自分の時間を持つようになりました。そうした人たちがいま、思い入れの強い初代に注目しているというわけです。

 現状を掴むべく、初代をメインに「ロードスター」のメンテナンス・販売を手掛ける「ユーノスター」(埼玉県春日部市)を訪ねました。顧客の中心は、やはり40代以上ですが、なかには20代の若者も。気になる相場を伺うと、同店の入り口は70~80万円。車両選びは状態を重視し、グレードや色などはあるものから、とするのがベストといいます。こだわり過ぎると、気に入ったものを見つけることが難しいようです。

 もしATが許容できるなら、MTに比べ10万円ほど安いそうなので、あえてATという選択もアリといいます。また生産台数が多かっただけに“激安物件”も多く存在しますが、最終型でも生産から18年が経過したクルマ。状態の良いものを選んでおかないと、多額の修理費や大きなトラブルに悩まされ、結果的に高くつくことも多いため、同店で“激安物件”は扱っていないといいます。

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