100万円台の「軽EV」出る? 政府は補助金強化も検討! 課題多いEV普及の必要性とは
補助金を使えば、100万円台も可能?
安価なEVが続々と登場するためには、なんといってもバッテリーの調達がカギとなります。
しかし、一方で、補助金や税制優遇を強化することで、実質的に100万円台でEVを購入することは可能になるかもしれません。
2021年9月12日には、環境省が「軽EV普及に向けて、実質200万円以下の価格になるように補助金を強化する」ことを検討しているという報道がなされるなど、普及に向けた取り組みが進んでいるようです。
補助金頼みのEV推進が、ほんとうの意味での普及に貢献するかは議論が必要ですが、多くのユーザーにとって、EV購入の強力な後押しになることは間違いないでしょう。

ただ、現実的にはガソリンエンジン車が大多数を占めるなかで、既存の自動車産業を国の経済の基幹としてきた日本が急速にEV普及に向けて舵を切ることに、懸念を覚える人もいます。
日本自動車工業会の豊田章男会長は、拙速なEV推進は雇用面などに大きな影響を与えるという内容のコメントをしています。
また、EV普及の大目的ともいえる、環境対策という面でも議論の余地はあります。
たしかに、ガソリンを一切使わないEVは、排気ガスを出さないという点ではエコロジーなように思います。
現状、EVを動かすための電力は、石油を燃焼させてタービンを回す火力発電に依存しているという指摘もあります。
さらに、バッテリーの製造や処分にも多大な環境コストが発生しているとして、日々議論が進められています。
また、充電インフラにおいて、充電施設の確保や維持コスト、充電時間など購入後の課題も多く残っています。
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EVの推進は、各国にとって政治上の大きなテーマとなっているなど、すでに一般のユーザーからは縁遠い話となりつつある昨今ですが、少なくとも当面はEVをはじめとする電動化の波が止まることはないでしょう。
そのなかでユーザーに求められることは、単に価格面が高いか安いかだけで決定せず、EVやガソリンエンジン車、あるいはハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、さらには燃料電池車といったさまざまなパワートレインを持つクルマに対して、しっかりメリットとデメリットを判断し、自身のニーズに沿ったものを選ぶことなのかもしれません。
Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。




































