何が違う? トヨタ新型「ランクル」はGRスポーツが良い? 外観だけじゃないGR仕様のスゴさとは
300系へと進化したトヨタ新型「ランドクルーザー」は、標準仕様とGR SPORT仕様のふたつが設定されています。エクステリアが大きく変わっているだけに留まらず、中身も結構違うようです。
新型「ランクル300」に設定された「GR SPORT」の魅力とは
14年ぶりにフルモデルチェンジしたトヨタ新型「ランドクルーザー(300系)」には「GRスポーツ」がラインナップされ、日本向けのGRモデルとしては初のフレーム車となります。
GRをおさらいすると、2017年に発足したトヨタのスポーツブランドで「モータースポーツを起点にしたもっといいクルマづくり」をより具体的かつ積極的におこなっています。
現在、「GRスープラ/GRヤリス/GR86」といった「専用モデル」と量産モデルに手を加えた「スポーツコンバージョンモデル」がラインナップされています。
ランクルGRスポーツは後者になりますが、実は標準仕様にもGRの血は流れています。
開発時にダカールラリー参戦ドライバーからの多くの改善要望がフィードバックされています。
では、GRスポーツは標準仕様と何が違うのでしょうか。
300系は歴代最強といわれる80系を超える「オフロード性能」と、フレーム車であることを言い訳にしない「オンロード性能」の両立が開発テーマですが、グレードによってその味付けを差別化しています。
ざっくりいうと標準仕様は快適性寄り、GRスポーツは操縦性寄りというイメージです。
今回は、標準仕様(ZXグレードのガソリン/ディーゼル)に続いて、GRスポーツ(ガソリン/ディーゼル)を同じルートを走行して違いを見ていきます。
まず、GRスポーツのエクステリアは、TOYOTAエンブレム+ハニカムグリル採用のフロントマスク、アプローチアングル/ディパーチャーアングルが考慮された前後バンパー、ブラックアウト化されたホイールアーチモール/ドアミラー/エンブレム類、そして18インチアルミホイール(マッドグレー塗装)などを採用しています。
変更箇所はそれほど多いわけではありませんが、より煌びやか/より堂々とした標準仕様に対して、シンプルながら精悍なスタイルになっています。
ちなみに、ほかのGRスポーツはノーマルに対して何かを“足す”ことで魅力を持たせていましたが、ランクルGRスポーツは逆に“そぎ落とす”ことで機能(=オフロード性能の高さ)をアピールしており、実にランクルらしいGRスポーツだなと感じました。
インテリアは専用アイテム(ステアリング、シート、加飾)や専用のインテリアコーディネイトが採用されていますが、基本的にはノーマルの意匠違いでエクステリアほどの特別感がないのが残念な所です。
個人的には専用形状のスポーツシートや専用のメーター/モニター表示などは奢っても良かったかなと思いました。ちなみに装備類に関してはZXに準じた内容となっています。
パワートレインは標準仕様(ZX)と同じで、ガソリンが3.5リッターV型6気筒ツインターボ(415ps/650Nm)+10速AT、ディーゼルが3.3リッターV型6気筒ツインターボ(309ps/700Nm)+10速ATと、制御系を含めてまったく同じスペックです。
一方、フットワーク系はGRスポーツ用にバネ定数/AVSの最適化がおこなわれた専用サスペンション、ZX(265/55R20)に対して2インチダウンとなる265/65R18サイズのタイヤ/専用アルミホイールの採用に加えて、世界初採用となる「E-KDSS(エレクトリック・キネティック・ダイナミック・サスペンショシステム)」が大きなポイントです。
E-KDSSを簡単に説明すると、前後のスタビライザーを独立して電子制御することで路面や前後輪の状況に応じて細かくスタビライザー効果を変化させることが可能なシステムで、オンロードでの走行安定性とオフロードの走破性を高次元での両立させる強力な武器のひとつとなります。
また、今回の試乗では使うシーンはまったくありませんでしたが、過酷なオフロードシーンで役立つ電動デフロックをフロント/リアに採用しているのもポイントです(標準仕様はリアのみにオプション設定)。
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