なぜ立ち入る? 多発する歩行者や自転車の首都高「誤進入」 原因や対策とは
自転車や原付バイク、歩行者などが誤って首都高速道路へ進入してしまう事例が毎年400件以上も報告されています。誤進入の原因や対策などを首都高に聞いてみました。
年間400件もの首都高への誤進入発生 近年は外国人の事例も増加
東京を中心として首都圏を結ぶ首都高速道路(首都高)において、毎年400件以上も報告されているのが、自転車や原付バイク、歩行者などによる「誤進入」です。
原則として125cc以上のバイク、またはクルマのみが利用可能な首都高において、なぜこれほどの誤進入が発生するのでしょうか。誤進入の原因や対策などについて首都高に聞いてみました。
まず、自転車や原付、歩行者などによる首都高速道路への進入(立入)のですが、直近の3年では、2018年度が439件(歩行者:164件、自転車:56件、原付:219件)、2019年度が447件(歩行者:158件、自転車:56件、原付:233件)、2020年度が352件(歩行者:86件、自転車:51件、原付:215件)となっています。
この数字は、実際に立入当事者から調書が取れた件数ですので、実際はもう少し多いと予想されます。
調書で確認された歩行者の誤進入の理由は、「高齢者による一般道路との誤認」「深酒し高速道路との認識ができず誤進入」「料金所へ道を聞くため進入」「未払いだった料金を料金所に支払うため進入」といったもの。
さらに道路標識を見落としたり、酔っ払った勢いで誤進入する外国人も近年増加しているといいます。
自転車や原付による誤進入したケースでは、全体の約3割がナビアプリによる誘導で進入してしまうパターンです。
これはナビアプリのルート案内が「自動車モード」になったままが原因ともいわれており、2017年には国土交通省はナビアプリ提供事業者に対して、自転車や歩行者の通行が禁止されている道路をルートとして案内しないようにアプリの改善やルート案内時に注意情報の表示を要請しています。
またこの自転車や原付による誤進入でのナビアプリ利用に関しては、最近急増している飲食デリバリーの配達員のケースが増えているという指摘もあります。
新型コロナ禍の影響もあって飲食デリバリーの利用が急増していますが、交通マナーの悪さが問題となっています。
配達員は表示されるアプリのルート案内を頼りに配送しており、首都高の出入口を確認しないまま走行しているケースもあるようです。
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ちなみに首都高速以外の高速道路でも誤進入は増えており、高速道路全体での報告件数は2011年度の2598件から2016年度は3678件まで増加。
高齢者の誤進入が多いのかと思いきや、50歳以下の誤進入が約2.2倍になるなど若年層が増えていると国土交通省は指摘しています。ちなみにもっとも多かったのは20代で3345件だそうです。
首都高もウェブサイト上でスマホのガイド設定の見直しを推奨しています。原付バイク(125cc以下)の場合は高速道路を使わないルート案内設定に、自転車利用者にはルート案内を「自転車」モードに切り替える必要があるということです。
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