試乗して分かったポルシェ流EVスポーツ「タイカン」のデジタル度合いとは?
モータースポーツの世界に割とドップリハマってしまった女子ライダー&ドライバー、小鳥遊レイラちゃんの女性目線によるインプレッション。今回のテストカーは、ポルシェ「タイカン ターボS」です。
静かで“吸引力”は抜群の「タイカン」
ポルシェ「タイカン ターボS」をドライブして、「いよいよ電気の時代が来た」と感じました。私のなかでポルシェといえば、ガソリンエンジンを搭載したスポーツカーの代名詞。しかもエンジンをかけた瞬間から、やる気みなぎる排気音が勇ましい、といったイメージなのです。
●すべてが新しいポルシェ
タイカンは、さすがに静かです。停車中はほとんど無音だし、走り出しても静粛そのものなんです。ポルシェ・エレクトリックスポーツサウンド(E-スポーツサウンド)をオンにすると、多少はモーター音が車内にも聞こえてくるようになりますが、ガソリンエンジンのような迫力とはまったく違いますね。
そして思いっきりアクセルペダルを踏み込んだときの加速フィールが独特だなと感じました。従来のRRのガソリンエンジンポルシェだと、後ろからドーンと押されるようなイメージで加速していきますが、タイカンは前から凄い勢いで吸い込まれる、というか引っ張られるかのように加速していくんです。静かだからそう感じるのかもしれませんが、さすが電気モーター、“吸引力”で勝負するんですね。
エクステリアで驚いたのは、ポルシェの特徴でもあった丸目ヘッドライトではなくなったこと。ちょっと吊り目のシャープな顔立ちになりました。ただ、リアまわりのデザインはポルシェらしさが受け継がれています。新しい時代を作りながら、ポルシェならではの個性や伝統も大切にしていこうとしているんでしょうね。
さて、個人的に気に入ったところは、細かいところですが、充電ポートです。充電ポートはフロントフェンダーの左右両側に設けられていて、右側がノーマル充電用、左側が急速充電用になっています。
どちらも手をかざすと自動でシュッとリッドが開く仕掛け。これはかなりカッコいい! ちょっと未来感があってうれしくなってしまいました。
インテリアに目を向けると、ついにアナログメーターがなくなり、フルデジタルモニターになりました。試乗したターボSにはオプションのクロノグラフメーターが装備されていましたが、アナログな点はそれだけ。慣れ親しんだポルシェのインパネとは、かなり雰囲気が変わりましたね。
エンジンがないのですから、排気音がしないのは仕方がないとはいえ、インパネのデザインもガラリと変わってしまうのは、寂しさを感じる方も多いのではないかと思います。ただ、インテリア全体は意外なほどシンプルで機能的といった印象。そこはポルシェらしさが残っているといえそうです。
試乗したタイカン ターボSはシリーズ最上位モデルで、車両価格(消費税込)は2468万円。そこに約400万円相当のオプションが装備されていました。
オプションのプライスにも驚きですが、これぐらいの価格帯になるともはや気にならないレベルなのかもしれません。助手席や後部座席も含めタッチパネルのオンパレードですが、直感的に操作しやすかったのが印象的でした。
4人乗車しても快適な室内空間の広さや、段差を越える際などに便利なスマートリフト機能など、スポーティにいき過ぎていないところも日常使いしやすくて良いですね。
ポルシェがEVを本気で普及させようとしているということが、よく分かりました。先進的な機能がたっぷりのタイカンを走らせながら、電気の時代を体感した試乗でした。
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