「オペル」が16年ぶりに日本再参入決定! 2022年に復活するドイツブランドの勝算は

オペルの日本語版ウェブサイトがオープンしました。従来、2021年中としていたオペルの日本での発売開始ですが、2022年上半期に決まりました。そんなオペルとは、そもそもどんなブランドなのでしょうか。またオペルに勝算はあるのでしょうか。

新型コロナや半導体不足の影響で日本再参入は後ろ倒しに

 2021年8月3日に、かねてより日本市場参入を発表していたドイツブランド「オペル」の日本語版サイトがオープンしました。

 昨年2020年2月に、プジョー/シトロエン/DSのブランドを展開するグループPSAジャパンが、オペルの日本市場への再参入を発表した際には2021年内のローンチとされていましたが、実際のオペルの発売開始およびディーラーオープンは2022年上半期となりました。

 これは、当初の想定を超える新型コロナウイルス感染拡大、そして半導体の世界的な供給不足などの外的要因が理由とのことです。

 そんなオペルとはいったいどんなブランドなのでしょうか。

2022年上半期に日本上陸予定のBセグメントSUV、オペル「モッカ」
2022年上半期に日本上陸予定のBセグメントSUV、オペル「モッカ」

 再参入というように、オペルは過去、日本市場で発売されていたこともあり、2006年の撤退が直近の動向となります。

 オペルは欧州ではシェアが高く、創業はなんと1862年と非常に歴史のあるブランドです。日本でいえば幕末の文久元年、明治維新による明治元年の1868年よりも6年も前のこと。カール・ベンツが自動車を発明する1886年よりも24年も前になります。

 当初はミシンを製造していましたが、1899年にオペル第一号車「システム・ルッツマン」を世に送り出します。そして第一次世界大戦前までに小型車をヒットさせ、当時のドイツ最大の自動車メーカーに成長していました。

 しかし、1920年代に創業一族の主要メンバーが死去したことを鑑み、オペルは1929年に大きな決断を下します。それがアメリカのGMとの資本提携です。以降、オペルはGM傘下のブランドとしての歴史を歩むことになります。

 第二次世界大戦によってドイツは荒廃するものの、オペルは戦後わずか1年で生産を再開。GMもすぐに復帰したことで、オペルの戦後復興は順調に進んでいきました。

 ちなみに日本でも1952年からオペルが発売されています。

 その後、欧州では小型や中型のファミリーカーとしてオペルは高い評価を得て、販売を伸ばしていきます。1970年代にはワールドカー構想をもとに、オペルの「ニューカデット」をベースにした兄弟車が世界のあちこちで誕生。日本では、当時GMと提携していたいすゞより「ジェミニ」が生まれています。

 一方、日本市場ではオイルショックの影響で、オペルの輸入が1980年代前半まで一時中断しました。

 そして1993年、輸入車販売大手のヤナセが、オペルを扱うようになりました。さらに1995年には、エントリーモデルとなる「ヴィータ」が日本に上陸。なんと200万円を下回る手ごろな価格で大人気になります。

 当時、輸入車といえばイコール高級車であり、大衆車としてのドイツブランドの登場に、オペルが注目されることになりました。

 ただし、その後のオペルの販売は伸び悩み、結局、2006年に日本から撤退してしまったのです。

【画像】日本上陸は2022年上半期! 登場するオペルのラインナップを見る(27枚)

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