真夏にスタッドレスタイヤでも大丈夫? そのままだと起きるさまざまな問題とは?
非降雪地域のドライバーはオールシーズンタイヤという選択肢も
次に、摩耗による劣化です。
スタッドレスタイヤは低温でも硬くなりにくいゴムを使っているため、「スタッドレスタイヤは夏用タイヤに比べてゴムが柔らかいので、夏場に使用すると夏用タイヤよりも減りが早くなる」(出典:ブリヂストン)とされています。
そしてスタッドレスタイヤは、摩耗の進行が、そのまま氷雪路面における性能の低下に直結します。
保安基準ではタイヤの溝の深さは1.6mm以上が必要とされ、これはサマータイヤもスタッドレスタイヤも共通ですが、冬用タイヤとしての使用については「スタッドレスタイヤは、溝の深さが50%に減りプラットホームが露出すると冬用タイヤとしては使用できなくなります」(出典:ブリヂストン)、「スタッドレスタイヤは溝の深さが新品時の50%摩耗したら冬用タイヤとして使うことができません」(出典:ダンロップ)と、より厳しい数値が性能の目安となります。つまり残り溝が50%となった時点で冬用タイヤとしての“寿命”が来てしまうのです。
さらに、タイヤそのものの価格にも注意が必要です。スタッドレスタイヤの価格は、一般的に、同じサイズのサマータイヤの1.5倍から2倍(サマータイヤのグレードにより異なる)と、かなり高価になっているからです。
このことから、スタッドレスタイヤを夏も履きっぱなしにすることは「いざというときに止まらない(=事故の可能性が高くなる)」「サマータイヤよりも減りやすい(=寿命が短くなる)」「サマータイヤより高価(=経済的に不利)」と、デメリットだらけであることがわかります。
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でも「タイヤを履き替えたいけど、外したタイヤを保管しておくスペースがないし」という人もいるでしょう。そうした人は、以下のふたつの対応策を検討されてはいかがでしょうか。
まず、履かないタイヤ(夏期のスタッドレスタイヤ、冬期のサマータイヤ)を預かってくれる「タイヤ保管サービス」の利用です。窓口となるのはディーラー、カー用品店、ガソリンスタンドなどタイヤ交換を担う業者です。またタイヤ交換をDIYでやるという人なら、貸倉庫業者が手がけるより安価なサービスも視野に入るでしょう。
もうひとつは「オールシーズンタイヤ」の選択です。
オールシーズンタイヤは、アイスバーンなど冬の厳しい路面状況での性能を抑える一方、ドライ&ウエット性能、耐摩耗性を強化したタイヤです。サマータイヤがスリップしてしまうようなシャーベット状の雪でも走行が可能で、また「スノーフレークマーク」の認証を取得した製品は、「冬用タイヤ規制」がおこなわれている道路でも通行できます。
気温が氷点下を大きく割り込むことのない都市部などで「年数回の降雪に備えたい」という人には、有力な選択肢になるはずです。
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