クルマだけが問題じゃない!? 歩行者&自転車の「乱横断」も問題に! 横断に関わるルールとは
交通ルールというと、クルマ側(運転手)の問題と捉えられることが多いですが、歩行者や自転車の無謀な横断などによる交通事故も発生しています。では、クルマやバイク、自転車そして歩行者にはどのような「横断」のルールが存在するのでしょうか。
歩行者には「交通ルール」を守らない人も? 歩行者はどこまで優先?
クルマやバイク、自転車そして歩行者には、道路交通法や地域ごとに異なる道路交通法施行細則などで定められた、さまざまなルールを守ることが義務付けられています。
そのなかで、交通事故が発生しやすい場所として「横断歩道」が挙げられますが、近年では「信号機が無い横断歩道でのクルマの一時停止」が話題となりますが、歩行者の横断に関してどのようなルールが存在するのでしょうか。
警察庁によると2016年から2021年の5年間で、クルマと歩行者の横断歩道での交通死亡事故は5451件発生し、その7割である3911件は歩行者が横断歩道を横断中に起きています。
JAFの調査では、歩行者が横断しようとしている際に横断歩道手前で停止するクルマの全国平均は2016年では7.6%と非常に低く、2020年では21.3%と年々増加の傾向は見受けられるものの、約8割が道路交通法に違反しているという結果になりました。
この道路交通法38条では、歩行者および自転車がいないことが明らかではない場合においては、横断歩道や停止線の手前で停止できる速度で通行しなくてはいけないという旨が記載されています。
よって、運転者は信号の有無にかかわらず、周囲が開けておらず周りが見えにくい横断歩道付近では徐行する必要があり、横断歩道の手前で停車しているクルマの側方を通過するケースでは、横断歩道の状況をしっかりと確認できるよう、一時停止することが求められています。
また、場所によっては信号がない横断歩道もあり、これについても同様に「歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の横断を妨げてはならない」と定められています。
道路交通法第38条の「横断歩道等における歩行者の優先」や「横断歩道のない交差点における歩行者の優先」に違反すると、罰則3か月以下の懲役または5万円以下の罰金。違反点数は2点、反則金は普通車9000円となっています。
一方で歩行者がどのような場所でも優先されるわけではありません。前述の道路交通法第38条では、歩行者に対して「横断の方法」「横断の禁止の場所」という条文も設けています。
「横断の方法」では、道路を横断しようとするときに横断歩道がある場所の附近においてはその横断歩道によって道路を横断しなければならないということや、道路標識などで横断出来るとされている場合を除き、道路を斜めに横断してはいけないと定められています。
また、道路を横断するタイミングでは、車両などの直前または直後で道路を横断してはならないと明記されているほか、都市部などの大通りでは「歩行者横断禁止」という道路標識が設置される場合など、歩行者の横断にも明確なルールが存在するのです。
このように歩行者に対する交通ルールは明文化されているにも関わらず法令を無視した横断をおこなう歩行者も少なくないといい、一部では無謀な横断行為を「乱横断」と呼んでいます。
過去に警察庁交通局が公表した「2018年の交通事故における特徴」では、歩行中死者のうち約6割が法令違反だということが明らかにされています。
無謀な横断行為について都内警察署の交通課職員は次のように説明しています。
「歩行者が無理に横断する行為は危険な行為といえます。たとえ近道だったとしても交通事故を誘発する可能性もあるため、必ず標識などに沿って横断してください」
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交通ルールといえば、クルマ側(運転手)の問題と捉えられることが多いですが、歩行者や自転車が無謀な横断などによる交通事故も発生しています。
こうしたことから、道路を使用するすべての人がルールを正しく理解することが望まれます。
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