マセラティ「レヴァンテ」でスプラッシュ ペインティング! 自分探しのアートカーとは
カラフルに仕立てられたマセラティ「レヴァンテ」が、モデナで開催されている「モーターバレー フェスト2021」で発表された。独特のカラーリングに隠された意味とは。
「レヴァンテ」でアクションペインティング
2021年7月1日からイタリア・モデナで開催されている「モーターバレー フェスト2021」で、アートカーに仕立てたマセラティ「レヴァンテ トロフェオ」が展示された。
マセラティブルーのボディをカラフルにペインティングしたのは、マセラティのブランドアンバサダーであり、モデナ生まれ・モデナ育ちでイタリア料理界のスターでもあるマッシモ ボットゥーラ。マッシモはレヴァンテで何を表現したのだろうか。
マセラティ フオリセリエによるブルー・ストラダーレの外装にはマルチカラーのスプラッシュが施され、インテリアインサート、センターコンソール、ダッシュボードにもその意匠は採用されており、内外装のどこから見ても創造性を爆発させたマセラティとなっている。
●独特のペインティングが意味するものは?
マッシモ ボットゥーラがこのクルマで表現したのは、レヴァンテがオフロードをドライブして生まれたようなアクションペインティングである。
モーターバレーで育った彼は、かつて兄たちとともにヴィンテージカーでオフロードレースに没頭していたという。そうした冒険的な1日を経験してガレージに戻ってきたときには、クルマのボディは泥のしぶきで覆われており、彼は何日も洗わずにそのままにしていたそうだ。
人は生きた経験によって変化し、出会いによって形作られ、勝利と敗北によって形成され、文化の鮮やかな色彩に彩られることで、最終的に私たちは自分自身のままでありながら、成長を続けるものである。こうしたオフロードレースで得た教訓を忘れないために、マッシモは洗車せずにクルマを眺めることを習慣にしていたのだ。
マッシモが親しみを込めて呼ぶ、この「レースの傷跡」をカラフルに表現したのが、今回のレヴァンテだ。人生において、常に誰もが冒険者であることを忘れないための象徴といっていいのかもしれない。カラフルな「レースの傷跡」は、限りないクリエイティビティ、表現の自由、鮮やかな人生が映し出されているのである。
●どこでカスタマイズされたのか
カスタマイズド・プログラム「マセラティ フオリセリエ」によって、カラフルなレヴァンテは製作された。マセラティ フオリセリエとは、マセラティがまったくの白紙を用意し、そこにカスタマーが絵を描くためのツールを提供するようなものだ。そこに何を描くかということはカスタマーのクリエイティビティ、インスピレーションに委ねられている。
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モデナやボローニャを有するエミリア=ロマーニャ州は、マセラティだけでなくフェラーリ、ランボルギーニ、パガーニなどのイタリアン・スーパーカーメーカーが数多く生まれた土地である。近年この一帯をモーターバレーと称し、自動車産業を盛り上げているが、今回開催された「モーターバレー フェスト2021」は、まさにそうした一環のひとつといえるだろう。
ここで発表されたマセラティ フオリセリエ プログラムとマッシモ ボットゥーラのコンセプトを体現したレヴァンテは、さまざまな経験を許容する創造性、美しさに対する繊細な感受性、そして人生の旅路における他者との出会いを通じて本当の自分を発見しようとする意志が表現されているが、コロナ禍のいま、実際にモデナを訪れて鑑賞できないのは非常に残念だ。
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