リーズナブルにポルシェを味わう!「初代ボクスター」が断然おすすめな理由【中古車至難】
ポルシェといえば「911」。ポルシェならではの重厚さと爽快さが織りなすスポーティな走りは、911でないと味わえない、と考えるポルシェファンは多く、911以外を選択肢から外す人もいる。しかし、ロードスター特有の開放感とキレのあるバランスの良い走行性能を持つ初代「ボクスター」は、決して911に対するエントリーモデルではない。中古市場ではリーズナブルに購入することができる初代ボクスターを、なぜ今おすすめするのか、その理由を語りたいと思う。
ほぼ5ナンバーサイズの小柄さで、さらに引き立つ魅力
ネオクラシックなクルマ、つまり「ちょっと古いクルマ」がブームとなって久しいわけだが、すでにネオクラシックとして確立されているモデルではなく、「今まさにモダンからネオクラシックの世界へ移行せんとしているクルマ」を狙ってみるのも一興であるはずだ。
で、このところ──若い人が使っているような言葉でいうなら──「ネオクラシックみ」が出てきたクルマといえば、ポルシェ初代「ボクスター」であるように思う。
●初代ボクスターとは
初代ボクスター。有名なモデルゆえ、過剰な説明は不要かとも思うが、1996年から2004年まで製造販売された、水冷方式のM96型水平対向6気筒エンジンをリアミッドに搭載する2シーターオープンである。
その車両価格が911より若干安いことから「ポルシェのエントリーモデル」といわれることの多いボクスターは、たしかにそのとおりではあるのだろう。
しかし、旧態依然としたRRレイアウトを──諸事情により──採用し続けているポルシェ911よりも、スポーツドライビングをおこなううえでは合理的なミッドシップレイアウトを採用したボクスターを「エントリーモデル=入門者向けの比較的安価なモデル」とだけ位置づけるには、いささかの抵抗がある。
正しくは、エントリーモデルではなく「ポルシェにおけるもうひとつの製品ライン」ととらえるべきなのだ。
●サイズ感こそ初代ボクスターの美徳
……なんていう話はどうでもいいとして、2.5リッターまたは2.7リッターエンジンを搭載したボクスターも、3.2リッターエンジンを搭載したボクスターSも、今や等しく「ネオクラシック風味」を醸成しつつある。ちょっと前までは「中途半端に古いクルマ」だったのが、ある程度古くなりきったことにより、いい塩梅の“風味”が出てきたのだ。
その風味を作り上げている最大の要因は“サイズ”感だろう。
全長4315mm×全幅1780mm×全高1290mmという大きさ(というか小ささ)は、現行世代のポルシェ911カレラと比べて20.4cm短く、7.2cmタイトである。これはもう「令和のクルマと昭和のクルマ」ぐらいの差であるため、否応なしに「ネオクラシックみ」が醸し出されてしまうのだ。
加えていえば、初代ポルシェ ボクスターに電子制御が使われていなかったわけではないが、その範囲は現代のクルマと比べれば極度に狭いため、運転中は「(コンピュータではなく)自分が運転しているのだ」との感触を強く感じることができる。
このあたりも、2021年の今になって初代ボクスターが「逆にちょっと輝いてきたかも?」と感じられる要因のひとつだ。
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