なぜ愛知県豊橋市は「輸入車の聖地」と呼ばれる? 世界トップクラスの自動車貿易を誇る理由とは

日本の中央に位置するという場所的な利便性の高さ

 ところで、フォルクスワーゲングループジャパンだけでなく、他の輸入車ブランドも三河港を拠点にしています。メルセデス・ベンツ日本もそのひとつです。

メルセデス・ベンツ日本の豊橋新車整備センターには2014年10月から併設されたデリバリーコーナーがあり、オーナーは自身の新車をここで受け取り、ドライブして帰ることも可能だ
メルセデス・ベンツ日本の豊橋新車整備センターには2014年10月から併設されたデリバリーコーナーがあり、オーナーは自身の新車をここで受け取り、ドライブして帰ることも可能だ

 同社は1990年から三河港を拠点にしており、当時は「候補地を選定しているなかで、日本の中央に位置し東名高速道路などへの便利なアクセスなど、物流拠点として優れた立地であり、また行政による積極的なインフラの整備もあったことで拠点に選びました」(メルセデス・ベンツ日本広報部)と、やはりアクセスが良いことで他の輸入車ブランド同様、三河港を選んだといいます。

 メルセデス・ベンツ日本は三河港だけではなく、1992年から茨城県の日立港も陸揚げ拠点として利用を開始しました。

 日立港にした理由ですが「販売台数が大きく伸びたことで整備能力を強化するために、日立港も拠点として利用し始めました(同)」ということです。また、各港の近くには陸揚げされた車両を検査・整備する新車整備センターも設置しています。

 2010年にメルセデス・ベンツ日本は三河港から一度撤退しましたが、2011年の東日本大震災を機に、2014年に再度三河港での輸入を再開。いまでは三河港と日立港を併用していますが、「首都圏を含む東日本エリアは日立港、三河港は西日本と、区分けして利用しています(同)」ということです。

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 輸出国がドイツだと、車両はおよそ40日間かけて専用船に積まれて日本へ到着します。

 VWやメルセデス・ベンツ、BMWやアウディなどのドイツブランドでも、ドイツ本国だけに工場があるわけではなく、南アフリカやオーストリアなどにも工場があるため、世界各国からこの豊橋に向けて専用船がやって来ます。たとえば2019年に生産が終了したVW「ザ・ビートル」は、遠くメキシコから太平洋を超えて来ていました。

 遠くの国からやって来て、新車整備センターで厳重なチェックを通し、ようやく手元に届いた愛車だということを考えると、喜びもひとしおではないでしょうか。

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