小さく運んで広々使える! キャンプブームで「トレーラー×大型テント」に熱視線!
新型コロナ禍でキャンピングカーブームが高まるなか、東京キャンピングカーショー2021が開催されました。そのなかでも日本に適した、小型のキャンピングトレーラーに注目が集まりました。
これが日本向きの「トーイングキャンパー」!?
「東京キャンピングカーショー2021」が6月12日と13日の2日間、東京ビッグサイト青海展示棟で開催されました。主催者の日本RV協会によると総来場者数は6254人で、新型コロナ禍でのキャンピングカーブームは顕在といった印象です。
筆者(桃田健史)は開催初日に会場を訪れましたが、2021年4月のジャパンキャンピングカー(千葉・幕張メッセ)や神奈川キャンピングフェア(神奈川県相模原市)と同様に、場内にはカップルから家族連れまで幅広い年齢層の人たちが“買う気モード”で熱心に出展車を見て回っていました。
そうしたなか、多くの人が注目していたのがアメリカのキャンピングカー大手「フォレストリバー社」が手掛けた「ロックウッド フリーダム ファースト エディション」というキャンピングトレーラーです。
走行時の寸法は、全長3700mm×全幅2200mm×全高1420mm。使用する際は本体上部が縦方向に広がり、さらに前後方向にそれぞれ1000mm以上広がります。
テントを展開した状態を見た来場者の多くから「これはちょうどいいかもしれない」という声が聞かれました。
パッと見た目が、トレーラーと大型テントを組み合わせたようなユニークな形状であることがキャンパー心をくすぐるのですが、サイズ感としてはトヨタ「ハイエース」などのバンコン(バンコンバージョン)より少し大きく、本格的なキャンピングトレーラーと比べると小ぶりというイメージでしょう。
内部に入ってみると「外から見るよりかなり広い」という印象です。前後に広がった部分がそれぞれダブルベットサイズの就寝用の空間となり、トレーラー中央部はダイニングキャビンとシンクを完備。前後テント部分は外の風が入るのでとても開放的です。
気になる価格は259万3800円。重量は牽引免許を必要とする車重750kgより軽い660kgなので普通免許で使用できます。
輸入販売を手掛けているのは、キャンピングカー販売会社のルート6(茨城県水戸市)で、このモデルは2020年11月から発売を始め、すでに数台を販売。現在でもバックオーダーをかかえている状況だといいます。
同社関係者によると、こうした小型のキャンピングトレーラーは20年ほど前の日本でのキャンピングカーブームの際に海外から輸入する事業者が複数いたそうですが、現在では同社が珍しい存在とのことです。
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小型キャンピングトレーラーといえば、北米トヨタが世界最大級の自動車アフターマーケット見本市の米SEMAショー(2020年はオンライン開催)でコンセプトモデル「TRD スポーツトレーラー」を出展しています。
ミッドサイズピックアップトラック「タコマ」の車体後部を活用して、荷台に設置した土台が電動でピックアップトラックの運転席とほぼ同じ高さまでせり上がり、そこにサイドオーニングやルーフテントを組み合わせるという考え方です。
あくまでもコンセプトモデルであり、北米トヨタがTRDブランドから量産化する可能性は低いとは思いますが、このアイディアに触発され、キャンピングカービルダーやピックアップトラックのチューニングショップがオリジナル商品を制作・販売する可能性もあると思います。
日本の場合、ピックアップトラックといえば近年、キャンプやアウトドアブーム等の影響でトヨタ「ハイラックス」の人気が高まっており、ジェットスキーなどを牽引するハイラックスを見かけることが増えてきました。
そのほか、日本で各種トレーラーを牽引しているクルマといえば、ジープ「ラングラー」があります。
日本ではまだ少数だとはいえ、趣味のためのトーイング(牽引)をするユーザーが徐々に増えており、小型のキャンピングトレーラーのニーズがさらに高まっていく可能性があると思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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