ベントレーが「ユニファイング・スパー」を発表! アートワークに込められた意味とは
ベントレーが「ビヨンド100」戦略の要となるダイバーシティ&インクルージョンを1台の「フライングスパー」で表現した。「ユニファイング・スパー」と名づけられたクルマの現しているものとは。
ベントレーがカラフルなアートカーを作るにはワケがある
2021年5月27日、ベントレーモーターズがホワイトのボディに色鮮やかにペイントを施した1台の「フライングスパー」を発表した。カラフルなフラングスパーのデザインに込められた意味は何であろうか。
●多様性を表現したフライングスパー
アートカーと呼びたくなるフライングスパーには「ユニファイング・スパー」という名が与えられた。クルー本社で従業員に公開された後、今後数か月にわたり、様々な社外イベントに登場する予定だという。
「あらゆる種類の多様性を称えるアートワークをフライングスパーに描く」という課題がベントレーデザインチームに与えられ、その難題に取り組んだのがデザイナーのリッチ・モリス氏であった。彼は趣味で絵画や彫刻を楽しみ、多様性のシンボルとして用いられる9色のプログレスフラッグをデザインに取り入れている。
さまざまな人々の顔や踊る姿に沿って延びる一本の線と、「Love is Love」という言葉が記されたデザインは、人種や宗教やセクシュアリティに関係なく、人々が力を合わせることの大切さを表現しているという。
実はこのフライングスパーは、ベントレーの「ダイバーシティ&インクルージョン計画」のスタートを記念したプロジェクトであった。
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ベントレーはいま、創業101年の歴史のなかでもかつてない大変革期を迎えており、温室効果ガスの削減量が排出量を上回る「クライメート・ポジティブ」の実現に直面している。ベントレーはそうした状況を踏まえ、創造性と革新性を醸成するには経験と視点の「多様性」という基盤が重要であると考え、ラグジュアリー・カー・メーカーとしてもっとも「多様性」に富んだ企業を目指している最中だ。具体的には、管理職に占める多様な人材の比率を2025年までに30%とする目標を掲げている。
ベントレーの「ダイバーシティ&インクルージョン計画」は、下記の5つのステップで構成されている。
(1):新卒採用
(2):中途採用
(3):後継者育成
(4):文化理解
(5):能力開発
(1)の多様な若手人材の採用比率では企業に求められる指数を上回ることを見込み、(2)の即戦力の採用では新たな人材プールの開拓を予定している。
また(3)では、能力あるすべての人材を社内で確実にサポートするため、後継者育成計画を見直し、(4)では在籍する人材の多様性を早い段階で把握できるよう努めるという。
最後に(5)の能力開発プログラムでは、多種多様な人々が共に働くなかで成長し、潜在能力を最大限に発揮できる環境を整えるという。
目標達成の度合いをKPI(重要業績評価指標)で数値化するとともに、取締役会の積極的な関与を通して多様性を尊重する企業文化を構築し、無意識の思い込みや偏見を取り除くとしている。複数の社員ネットワークグループも先頃活動を開始し、各種の戦略的なイベントや活動を通して職場内での関心が高められている。
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ベントレーの人事&デジタライゼーション& IT担当役員であるアストリッド・フォンテーヌ博士は次のように述べている。
「多様性は成功への原動力です。多岐にわたる経験やさまざまな創造力を持つ人材を受け入れ、その能力を発揮してもらうことで、事業戦略やイノベーション、意思決定を皆の協力のもとに遂行できます。また、グローバルな顧客ベースに対応しつつ、最優先事項として誰もが安心して自分らしく働き、各自のアイデンティティと能力が尊重される環境づくりを進めたいと考えています。
そのためにはダイバーシティ&インクルージョンが不可欠であり、高級自動車メーカーとしてもっとも多様性に富んだ企業となることは『ビヨンド100』戦略の一環でもあります。ひいては、当社の経営体制にも多種多様な人材が登用されることになります。
こうした取り組みは、多様性を受け入れ、すべての人が最大限に能力を発揮できる企業文化こそが、この先100年の事業の成功につながるという当社の理念とも一致します。
『ユニファイング・スパー』の公開、それに伴う社内活動や2021年に予定されている社外行事を通し、社員全員が一丸となるという重要な目標を鮮明に打ち出すと同時に、ひとり一人の個性を形作る能力と特質に敬意を示す所存です」
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