昔は「押しがけ」やってた? 現在のMT車はバッテリー上がりで「押しがけ」はOKなのか

かつて、クルマのバッテリーが上がった際にMT車では「押しがけ」と呼ばれる行為によって、エンジンを始動させていました。では、現在のMT車でも押しがけは出来るのでしょうか。

昭和感ある? クルマの「押しがけ」

 バッテリーが上がってエンジンがかからなくなった場合、昔は「押しがけ」をすることがありました。
 
 最近では見かけなくなりましたが、現在のクルマでも押しがけはできるのでしょうか。

かつて見かけたMT車での押しがけ。現在のMT車では押しがけしてもいいの?
かつて見かけたMT車での押しがけ。現在のMT車では押しがけしてもいいの?

 たまにしか乗らないクルマなどで、いざというときにバッテリー上がりを起こしていることがあります。

 バッテリー上がりの原因として挙げられるのは、ライト類や室内灯の消し忘れです。

 エンジンを切っている状態でライト類や室内灯が点灯しつづけていると、バッテリーの電力が消費されてエンジン始動時に必要な電力がなくなり、いわゆるバッテリー上がりとなります。

 また、バッテリーはエンジンの動力から充電しているため、頻繁にクルマを乗っていれば、一般的な交換目安とされる2年から3年は問題なく使用出来ます。

 しかし、たまにしか乗らない場合にはバッテリーが自然放電することで結果的に電力が少なくなりバッテリー上がりを起こすのです。

 万が一、バッテリー上がりを起こした際、昔であればMT車で「押しがけ」をおこなってエンジン始動させることがありました。

 押しがけとは、エンジンを始動するセルモーターの代わりとして、クルマを人力で押して動かし、タイヤからの回転を利用してエンジンを始動させようというものです。

 エンジンが動き始めればオルタネーターが電気を作り出すので、バッテリーに電気が残っていなくてもエンジンは回転を続けることができ、バッテリーを充電することが出来ます。

 では、押しがけとはどのようにおこなうのでしょう。

 まず、押しがけはMT車でなければできません。AT車はトルクコンバーターがあり、エンジンが車軸と直結していないため押しがけは不可能です。

 押しがけの方法は、運転手が運転席に座り、イグニッションキーをオンにし、シフトをNに入れます。

 その後、同乗者などが車体を後ろから押して、人が歩く程度のスピードになったら手を離し、シフトを2速に入れ、クラッチを繋ぐことでエンジンが始動します。

 では、最近のMT車でも押しがけは可能なのでしょうか。

 現行車の押しがけについて、日産広報部の担当者は以下のように話します。

「昔はイグニッションスイッチを、エンジンキーを挿して回すタイプでしたが、現在のモデルはボタンひとつでエンジンを始動するプッシュスタート式のスイッチがほとんどのため、現行モデルの乗用車ではほとんどできないと思います。

 トラックなどのMT車にも取り扱い説明書にはしないでくださいと記載しています」

 また、スバル広報部の担当者はこのように話します。

「取り扱い説明書ベースの回答になりますが、現行車では押しがけできません」

※ ※ ※

 一方で、スズキ「アルト」のオーナーズマニュアルには「マニュアル車も安全のため、押しがけをしないでください」と書かれています。

 押しがけ時の危険とは、エンジンが停止している状態となるため、パワーステアリングやブレーキが正常に作動しない恐れがあるためです。

 そのため、バッテリーが上がった際にはMT車といえども無理をせずにブースターケーブル(ジャンプケーブル)による始動か、ロードサービスを利用しましょう。

【画像】押しがけの時代を思い出す… 激レアだった「赤いケンメリ」を見る!(32枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー