もしも発売されていなかったら大変なことに? メーカーの窮地を救った車3選

現存する各自動車メーカーは、これまで必ずしも順風満帆の歴史ばかりではなく、さまざまな理由で経営危機に陥ったメーカーも存在。そこで、メーカーの窮地を救うことになったクルマを3車種ピックアップして紹介します。

メーカーの危機的状況を救ったクルマを振り返る

 現在、日本で自動車を生産しているメーカーのなかには、過去に経営危機や窮地に陥った経験があるメーカーが散見されます。

 その理由は景気に左右されたり単純にヒットするクルマがなかったりと、さまざまです。

メーカーの窮地を救った偉大なクルマたち
メーカーの窮地を救った偉大なクルマたち

 さらに、現在も続いている世界的な新型コロナウイルスの感染拡大や自然災害など避けられない事象も、自動車メーカーにとって大打撃になる可能性があります。

 一方で、そうした危機的状況を救ったクルマも存在。そこで、メーカーが窮地に陥ることを救うことになったクルマを3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「オデッセイ」

まさにホンダにとって起死回生の1台となった初代「オデッセイ」
まさにホンダにとって起死回生の1台となった初代「オデッセイ」

 1990年代の初頭といえばいわゆるバブル景気の崩壊という一大事があり、日本の自動車産業を直撃。各メーカーとも収益の悪化が避けられませんでした。

 なかでもホンダはバブル期に高騰した開発費のツケや、同時期に大ヒット車がなかったことなどが重なり、経営状況は危機的状況となります。

 その事態を受けて、当時、三菱銀行(現在の三菱UFJ銀行)がホンダのメインバンクだったことから、三菱に買収されるのではという噂が出たほどです。

 しかし、1994年に同社初のミニバンである初代「オデッセイ」が発売されると、それまでにない乗用車と変わらぬドライブフィーリングのミニバンとして大ヒットを記録しました。

 初代オデッセイの登場以前から他メーカーからもミニバンが販売されていましたが、1BOXバンの流れを汲んだFR駆動のモデルが主流で室内の広さはそれほどでもなく、デザインが洗練されていないモデルや、今では常識のスライドドアも商用車のイメージが色濃い状況でした。

 そんななか発売されたオデッセイは「アコード」シャシをベースに開発されFFを採用したことで、低床の広い室内を実現。

 ボディは3ナンバー専用サイズで、ワンボックスカーとは明確な違いを主張するように前傾するボンネットからルーフに至るラインが、ステーションワゴンに近いイメージでした。

 エンジンは2.2リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションは4速ATのみ。コラムシフトを採用したことにより前席から後席へのウォークスルーも考慮されています。

 また、リアドアはヒンジドアを採用。電動スライドドアが普及する前だったこともあって、ヒンジドアでもユーザーから不満は出ませんでした。

 オデッセイのヒットを受け1996年に、より小型の5ナンバーサイズで全高の高いミニバンの「ステップワゴン」を発売して同じくヒット作となり、ホンダは経営危機から脱却することに成功しました。

ホンダ・オデッセイ の中古車をさがす

●スバル「レガシィ」

現在も続くスバル車の根幹となったモデルといえる初代「レガシィ」
現在も続くスバル車の根幹となったモデルといえる初代「レガシィ」

 前出のホンダと同じく、スバル(当時は富士重工業)も1980年代に経営危機を迎えていました。

 スバルは国産メーカーとしては乗用4WD車の先駆者であり、1971年にはいわゆる生活四駆の先駆け的存在である初代「レオーネ」を発売してヒット作となります。

 しかし、「スバル360」以来は大ヒットに恵まれない状況が続き、とくに国内の販売低迷が続いたことから経営状態は悪化し、1980年代の中頃には経済界で倒産の噂も出たほどです。

 そこで1989年に、レオーネで確立した4WD技術をブラッシュアップして搭載した初代「レガシィ」を発売。トップグレードには220馬力を誇る新開発の2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを設定し、セダンだけでなくステーションワゴンの「レガシィ ツーリングワゴン」をラインナップしました。

 駆動方式はフルタイム4WDに加え、パートタイム式、FFの2WDが用意されるなど幅広いニーズ対応するライナップを展開。

 また、発売当時にはスキーブームやアウトドアレジャーの人気が高まっていたということも初代レガシィには追い風になり、高速走行から雪道までオールマイティに優れた走りを実現したことで大ヒットを記録しました。

 とくにツーリングワゴンは、ライトバンとボディを共有するのが一般的だった時代に専用設計され、スタイリッシュなデザインによってとくに人気となり、他メーカーも追従するステーションワゴンブームが起こったほどです。

 レガシィは日本のみならず北米市場でもヒットし、海外におけるスバルのブランドイメージ向上に貢献。内需だけでなく輸出拡大によってスバルの経営は盤石なものとなり、「シンメトリカルAWD」に特化したメーカーへと突き進みました。

スバル・レガシィ の中古車をさがす

【画像】このクルマがあるから今がある? 窮地を救ったモデルを見る(17枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

2件のコメント

  1. アスカとしてISUZUに卸した2WDは良かった。
    横置きFFより上品だし発車時に駆動系が捩れる感覚も無いし。
    アウディのA4辺りを参考にすると良い前輪駆動車ができるのかもしれないね。

  2. マツダの初代デミオも取り上げて欲しかったですね。
    バブル期に行った販売5チャンネル化の大失敗で、会社が危うかった次期に、メカ的には平々凡々なこのクルマが売れたおかげで、マツダは救われたのですから。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー