もしも発売されていなかったら大変なことに? メーカーの窮地を救った車3選

トヨタの世界進出成功の礎はクロカン車だった?

●トヨタ「ランドクルーザー 40」

トヨタの本格的なグローバル展開の礎になった「ランドクルーザー 40」(画像は北米仕様)
トヨタの本格的なグローバル展開の礎になった「ランドクルーザー 40」(画像は北米仕様)

 今でこそトヨタは世界中でクルマの販売をおこなっていて、この新型コロナ禍にあってもキッチリと収益を獲得して大いに話題となっていますが、グローバル企業として歩みを始めた頃は決して順風満帆ではありませんでした。

 トヨタは1950年代の初頭からアジア圏や中南米に輸出を始め、1958年には初代「トヨペット クラウン」を、世界最大のマーケットであるアメリカへ本格的に輸出を開始。さらに1960年には「コロナ」をベースにした北米仕様の「ティアラ」を発売しました。

 しかし、両モデルとも品質や性能に問題があったことから、1960年末には輸出を停止する事態となります。

 そこで、代わりに輸出されたのが、クロスカントリー4WD車の「40系 ランドクルーザー」です。

 すでにアメリカでは民生用にクロスカントリー車のジープがあり、一定の需要が市場に存在していましたが、40系 ランドクルーザーの悪路走破性や耐久性が認められ、販売台数は1961年の249台から1964年には2595台へと4年間で10倍以上に増加したといいます。

 40系 ランドクルーザーの車体は強固なラダーフレームにボディを架装して製造する、クロカン車では一般的な構造を採用。

 ボディバリエーションはホイールベースによってショート、ミドル、4ドアロングに分けられ、幌ボディとメタルトップを設定し、日本ではすべて商用車として販売され、海外ではさらにロングホイールベース化されたピックアップトラックやボディ後部を架装しないキャブシャシなどもラインナップしました。

 エンジンは、発売当初は3.9リッター直列6気筒ガソリンのみで、1973年に3.6リッター直列6気筒ディーゼルエンジン、1974年には3リッター4気筒ディーゼルエンジンを追加して幅広いニーズに対応。

 大成功を収めた40系 ランドクルーザーを足がかりとして、アメリカでの販売店数は1964年末の200店から、1965年に384店、1966年には606店へと急速に増加し、アメリカでの走行に適合する3代目コロナが再び輸入されると市場に受け入れられ、改めて本格的な北米進出を果たすことになりました。

※ ※ ※

 前述のとおり新型コロナ禍の経済への影響はまだまだ続きそうで、世界中の自動車メーカーはさらなる再編もありえる状況です。

 実際に日産と三菱は2期連続で赤字となっており、今後も予断を許さない経営状況といえるでしょう。

 一方で、新型コロナ禍が収束すれば需要の復活という光明も見えており、自動車産業も苦しいなかですが歩みは止まっていません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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