コロナ禍でも販売好調! 軽自動車規格の見直しはある? 制定から23年でも継続される理由とは

昨今、軽自動車には根強い人気があります。現在の軽自動車規格は1998年に改正されて以降の変更はありません。23年経った現在ですが、今後ボディサイズや排気量などが変更される可能性はあるのでしょうか。

地方における軽自動車の普及率の高さ

 日本独自の車両規格として近年存在感を示している「軽自動車」。
 
 最近の国内新車市場では、人気のミニバンやSUV、コンパクトカーなどの新型車が続々と登場するなかで、軽自動車の市場割合は約4割を占めるほどに成長しています。
 
 そうしたなかで、時折聞かれるのが「軽自動車規格の見直し」ですが、今後規格の見直しはおこなわれるのでしょうか。

軽自動車市場で人気No.1のホンダ「N-BOX」
軽自動車市場で人気No.1のホンダ「N-BOX」

 日本自動車販売協会連合会(自販連)と日本自動車販売協会連合会(全軽自協)によると、2020年の登録車(普通自動車+小型自動車)の販売台数は、247万8832台(前年比87.8%)なのに対して、軽乗用車133万1064台(前年比90%)と、新型コロナ禍でも落ち込みが低い数値となっています。

 また、2021年の軽乗用車の数値を見ても、1月は11万6255台(前年比107.3%)、2月は13万4935台(前年比104.7%)、3月は18万1136台(前年比110.9%)という数値で好調に推移しているといえます。

 また、全軽自協が2019年7月に発表した「軽自動車の世帯当たり普及台数について(2018年12月末)」のデータを見ると、軽四輪車の世帯当たり普及台数は、全国平均で100世帯当たり54.41台と、前年2017年の54.35台から0.06台普及が進んだということが分かります。

 普及率1位の鳥取県の103.5台を始めとして、次いで佐賀県、長野県、島根県、山形県が続いており、1世帯に1台以上の普及は前年と同数の6県、100世帯に90台以上の普及は12県が占めています。

 さらに地方を中心に、軽自動車が人気に拍車をかけたのが、ラグビーワールドカップと東京2020オリンピック・パラリンピックの大会開催機運の盛り上げを狙って登場した白いナンバープレートです。

 黄色ナンバーに抵抗のあった層を軽自動車ユーザーへと引き込んだ要因といえます。

 そんな日本での人気の高い軽自動車ですが、軽自動車の歴史は1949年7月に初めて軽自動車の規格が制定されました。

 当初は排気量660cc以下、長さ3400mm、幅1480mm以下、高さ2000mm以下の三輪および四輪軽自動車ですが、制定当時の規格は今より小さく四輪や二輪などの区別がありませんでした。

 そこから1950年に二輪、三輪、四輪の区別が設けられ、その後1954年の法改正では、全長3000mm以下、全幅1300mm以下、全高2000mm以下、排気量360cc以下と規定され、これが1975年12月末まで続きます。

 1976年1月に施行された改正では全長3200mm以下、全幅1400mm以下、排気量550cc以下(全高は変わらず)とされました。

 1990年1月には全長が3300mm以下、排気量が660ccに拡大され、1998年に全長が3400mm拡大された後、現在に至ります。

 その後も規格改正を繰り返し、1998年に現在の軽自動車の規格となりました。

 現在の規格では、軽自動車は全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mm以下、排気量660cc以下、定員4名以下、貨物積載量350kg以下とされています。

 1998年の改正では排気量が変更されず、衝突基準クリアのためのボディサイズ変更のみに留まっていました。

 一方で、一般ユーザーや有識者からは「軽自動車規格の見直し」を求める声も一定数存在します。

 また、海外向けとして800ccエンジンを搭載するモデルも存在しますが、国内市場では販売されていません。

 そうしたなかで、1998年に現在の規格制定がされてから20年以上が経過しますが、規格の見直しは変更される可能性はあるのでしょうか。

 軽自動車の規格について、全軽自協は次のように説明しています。

「直近で改正がおこなわれた1990年と1998年では、どちらも安全面の観点から規格が変更されています。

 20年以上経った現在でも現行の規格が安全上で問題になったという話は聞いていないため、当面の間では規格の見直しはおこなわれないと思います。

 また、これまでの間に、自動車メーカーや関係各所から『規格の見直し』に関する要望などは聞いておりません」

 一方で、首都圏の販売店では次のような声が聞かれます。

「最近では、軽自動車を求めにこられるお客さまは多くおります。当初は、コンパクトカーを検討されていた人でも購入されたのは軽自動車ということも少なくありません。

 しかし、販売店として売れることは嬉しいのですが、出来ればコンパクトカー以上を売りたいというのが本音です。

 また、最近ではお客さまのニーズは細分化しております。そのため、日本にはない800ccというモデルが登場すると、新たな需要が生まれるのではないかと思いますが、規格の見直しなどハードルが高そうなので可能性は低いかもしれません」

※ ※ ※

 このように、さまざまなニーズがある現在の新車市場ですが、日本独自の規格として成長してきた軽自動車市場では、全高1700mm以上かつスライドドアを備えた軽スーパーハイトワゴンというジャンルが高い人気を誇っています。

 人気の背景には、車両価格や維持費が抑えられるうえ、室内が広く、小回りが効くなどの利便性が高いことが挙げられます。

 もし、今後軽自動車の規格が見直しされるのであれば、軽自動車規格の電気自動車(EV)が普及し始めた際に、求められる安全性に問題があったときなのかもしれません。

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