オープンカーの魅力は何? 「屋根はなるべく開ける!」オーナーの本音に迫る

オープンカーには名車が数多く存在

 過去を振り返れば、オープンカーには名車が多いといわれています。

 ホンダ創立50周年を記念した「S2000」はいまでも中古車として人気ですし、ミッドシップのオープンカーだったトヨタ「MR-S」やコンパクトハッチにオープンの楽しさを加えた日産「マーチカブリオレ」、FRスポーツクーペに電動格納式ハードトップを備えた日産「シルビアヴァリエッタ」、日本のハイソカーを代表する「ソアラ」の最終モデルなど、現在でも魅力的なモデルが多いです。

ホンダ「S2000」
ホンダ「S2000」

 さらに、運転席上部のルーフ部分のみ取り外してできるタルガトップやTバールーフモデルなども加えると、じつは多くのオープンカーモデルが存在していました。

 現在では、国産オープンカーは減少の一途をたどっていますが、そのなかでもパッと思いつくのはやはりマツダ「ロードスター」です。

 世界的な人気を誇るオープンスポーツカーの代表格のロードスターは、現行モデルは2015年に登場した4代目(ND型)。

 2016年にはクーペスタイルとオープンエアが楽しめるリトラクタブルハードトップの「ロードスターRF」も加わり、高い認知度とブランド力を誇っています。

 さらに、ホンダ「S660」とダイハツ「コペン」の軽スポーツカーが存在。S660は2022年3月をもって生産終了することになりましたが、両車は趣味性の高いクルマでありながら軽自動車なので維持費も安いところも魅力でしょう。

 またレクサスは、ラグジュアリークーペの「LC」にコンバーチブルを設定しました。優雅で美しいシルエットというLCの特徴を活かしつつ、5リッターV型8気筒エンジンのパワフルな走りをオープンで楽しむことができます。

 オープンカーは単純にルーフをカットするだけでなく、内部に補強が必要なことからベース車両に大幅な加工を施す必要があり、どうしても高価になります。

 ベース車両との価格差は60万円から70万円程度ですが、現在の安全基準やエアコンなどの快適装備が少なかった1950年代・1960年代はオープンカーも多かったといわれています。

 当時はいま以上にクルマがステータスの象徴であり、さらに付加価値が付いた贅沢なモデルとしてオープンカーが存在していました。

 また、欧米諸国の人にとって「陽射しは最高の贅沢」という考えが根強くあり、クルマでも日差しを味わいながら走れるオープンカーは贅沢なモデルという考え方が定着しており、日本に輸入される車種にもオープンモデルが用意されるケースも多いです。

 ちなみに、オープンカーにはさまざまな呼び方があり、フランスやドイツではカブリオレ、アメリカではコンバーチブル、イタリアではスパイダーなどと呼ばれています。

※ ※ ※

 オープンカー最大の魅力は、「オープンカーという趣味性の強いクルマを所有している喜び」ということでしょう。

 夏は暑く冬は寒く、荷物が載せられないので買い物へ行くのも躊躇することはありますが、それ以上に「オープンだから」で笑って許せる楽しさがそこにはあります。

 クルマの電動化が進み、排気ガスがきれいになっていけば、もっとオープンカーの楽しさが味わえるはずです。

 オープンタイプの手頃なピュアEVが登場したら意外に人気が高まるかも知れません。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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