選考委員が教える「世界・カー・オブ・ザ・イヤー」の選考方法とは

ワールド・カー・アワードの選考委員であるモータージャーナリスト山崎元裕氏が、コロナ禍における2021年の選考方式を解説する。

実際に試乗することが大前提ゆえの苦悩

 2021年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(WCOTY)に、VWの「ID.4」が決定したことは、すでに多くのメディアで報じられているとおりだ。VWにとってこのアワードを受賞するのは今回が実に5回目で、2009年の「ゴルフ6」、2010年の「ポロ」、2012年の「up!」、そして2013年の「ゴルフ7」に続くものとなる。VWはまさに常勝ブランドといってもよい。

「ホンダe」、トヨタ「ヤリス」をおさえてワールド・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたVW「ID.4」
「ホンダe」、トヨタ「ヤリス」をおさえてワールド・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたVW「ID.4」

 今回のワールド・カー・アワード(WCA)は、例年とは多少異なる選考方式によっておこなわれた。その理由は世界的に大きな脅威を奮ったCOVID−19による影響によるものである。

 通常はLAショー、ジュネーブ・ショー、NYショーと、華々しい国際モーターショーの舞台で各部門のベスト3モデルや、ベストモデル、そして最終的にはWCAが発表されるのだが、今回は世界各国の92名からなる選考委員は、オンラインでその選考の行方を見守るほかはなかった。

 WCAが大きな原則としているのは、投票するモデルに実際に試乗しているかどうかである。最初に選考車をエントリーする段階から、試乗しているものは1ポイント、そうでないものは0.5ポイントと2倍もの差がつけられるのである。

 前回まではその差を少なからず埋めるために、LAショーの直前に、各社のモデルを集めた試乗会がLA近郊でおこなわれ、ここでは我々にはとくに縁の薄いアメリカ車や韓国車などにも試乗することができ、新しい発見もあった。

 しかし、そのLA試乗会も開催が不可能になり、また通常の海外試乗会も各社が続々と中止の決断を下して1年になろうかというこの時期、エントリー車を選ぶのは相当に難しい作業だった。

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