見たことない教習車の給油 整備はいつやる? 寿命は何年? 意外と知らない教習車トリビア
入れ替え目安は7年から8年? 意外に長い教習車の寿命
いつも完璧なコンディションを維持しているように見える教習車ですが、じつは使用頻度が高いせいで意外に壊れることも多いのだとか。
「教習生が走り出す前にシート調整を繰り返すため、シートリフター(シートの高さを調整する機構)などはよく壊れていました。
あとはエアコンですね。多くの教習所内コースは30km/h制限が多く、速度も出せない極低速状態で長時間走行が続くので、エアコンも酷使されがちです。猛暑などではかなりオーバーヒート気味になることも多かったです。
また、ときどき教習車をコーナーポールにぶつけられることもありましたが、とくに多かったのはホイールのガリ傷ですね。クランクや方向転換などでタイヤが乗り上げてしまったり、縁石にヒットするケースも多かったと記憶しています。
ただ走行できなくなるような大きな事故は教員時代には経験がありませんし、その前に補助ブレーキで止めています」(元教官)
教習車の車検はどのようにしていたのでしょうか。
「教習車の車検は数台ずつ、地元の整備工場にお願いしていました。基本的には消耗品とオイル交換程度でしたが、(極低速を繰り返す影響で)エンジンの吹けが悪くなってしまうケースも多く、定期点検でいつも整備してもらっていた記憶があります」(元教官)
ちなみに教習車の寿命はどれくらいなのでしょうか。
「各教習所によって違いはあると思いますが、教習車の入れ替えに関しては、だいたい7年から8年を目安に順次入れ替えていたと記憶しています。教習所によっては長く使うケースもあり、税金が重課される前の13年目に入れ替えるところもあるみたいです。
ただ古すぎる教習車ですと集客にも影響しますので、その辺りは臨機応変といったところでしょうね」(元教官)
ちなみに、教習車は常時使用されている関係もありますが、使用状況によって走行距離が年間4万km走るものもあれば、所内のみの走行で数千kmしか走らない車両もあるのだとか。MT車の場合は毎年クラッチをオーバーホールしていたそうです。
「古くなった教習車は入れ替えで普通に下取りされていくケースもありますが、なかには『特殊車両専門』の下取り業者もいるみたいですね」(元教官)
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免許取得後はよほどのことがない限り乗ることがなくなってしまう教習車ですが、ほとんどの人にとって人生で初めて運転するクルマであることも事実です。
あのときお世話になった教習車がいまどうなっているのか、ときどき思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
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