BMWの「走る歓び」を本気で味わうなら今こそ「E36型 M3」を手に入れるべき理由【中古車至難】

メルセデス・ベンツ、アウディと共にドイツ御三家のひとつに数えられるBMW。とくにBMWはスポーツ性能にもっとも力を入れているメーカーとして知られている。そのBMWらしさを象徴するのが、サーキット走行を前提とした「M3」だろう。今回紹介するのは2代目となる「E36型 M3」。1993年製の古いM3を今あえて選ぶ理由は一体どこにあるだろうか。

生まれも育ちもサーキット

 もしかしたら、BMWのことなど屁とも思っていない各位もいらっしゃる可能性はある。だがそんな各位でも、BMWの「Mモデル」にだけは一目置いているに違いない。

 現在、Mモデルの開発やモータースポーツ用パーツの研究開発、特別注文モデルの生産などをおこなっているBMW M GmbH(BMW M社)がBMWの子会社として誕生したのは1972年5月1日のこと。発足当時はBMW Motorsport GmbH(BMWモータースポーツ社)という社名だった。

 当時モータースポーツの世界で連戦連勝を重ねていたBMWだったが、自社だけではモータースポーツ関連事業や作業の一部しかカバーできず、多くの部分をチューニングメーカーに頼るという状況であった。

 そのため、モータースポーツに集中的に取り組む目的で新たに設立されたのが「BMWモータースポーツ社」だった。

 1970年代後半まで、BMWモータースポーツ社はレーシングカーのみを製造していた。しかし「サーキット以外でもM Powerを堪能したい」というユーザーの声に応えるため、まずは1974年、BMWモータースポーツ社のエンジニアは初代「5シリーズ」のサスペンションとブレーキに関与。

 そして1978年にはMエンブレムを付けた最初の市販車である「BMW M1」でセンセーションを巻き起こし、1980年には、初代5シリーズに「635CSi」の2バルブ6気筒エンジンを搭載した「M535i」を開発・製造した。

 その後、Mモータースポーツ社はF1用ターボエンジンの開発と供給をおこない、1984年には、M1の高回転型4バルブ直6エンジンを「M635CSiクーペ」と「M5」に搭載。プロイセン通りで、ひとつずつ手作業で組み立てられたM5は、瞬く間に伝説的存在となった。

●1993年−1998年 BMW E36「M3」

BMW M3は1985年から製造されている、3シリーズをベースとした高性能セダン。これまでE30型(1985年から)、E36型(1993年から)、E46型(2000年から)、E90型(2007年から)、F80型(2014年から)、G80型(2021年から)と長い歴史がある。E30型とE46型以外はすべて4ドア仕様が用意され、F80型以降2ドアモデルは「M4」として別モデルへと独立した(C)BMW AG
BMW M3は1985年から製造されている、3シリーズをベースとした高性能セダン。これまでE30型(1985年から)、E36型(1993年から)、E46型(2000年から)、E90型(2007年から)、F80型(2014年から)、G80型(2021年から)と長い歴史がある。E30型とE46型以外はすべて4ドア仕様が用意され、F80型以降2ドアモデルは「M4」として別モデルへと独立した(C)BMW AG

 F1での活動が終了すると、BMWモータースポーツ社は新たにツーリングカーレースにエネルギーを投入するようになった。その結果、1986年に伝説の初代BMW「M3」が誕生する。

 レースマシンとしてタイトルを総なめにした初代M3は、市販車としても予想を超える販売台数を達成。初代M3の市販バージョンは、2.5リッターの「M3スポーツエボリューション」600台と、手作業で組み立てられた「M3カブリオレ」765台を含む計1万7970台もの台数が販売されたのだった。

 ツーリングカーレース参戦を目的としたモデルの開発は初代M3で終わったものの、その後もBMWモータースポーツ社は「2代目M3」「2代目M5」などの超ハイパフォーマンスロードカーを続々と開発。

 そして1992年には、通常のオプション装備の範囲を超えるカスタムメイドを実現させる「BMWインディビデュアル」もBMWモータースポーツ社の担当業務となり、1993年8月1日には社名を「BMW M社」に変更した。

 現在は冒頭で記したとおり、「BMWを超えるBMW」であるMモデル各車の開発とモータースポーツ用パーツの研究開発、特別注文モデルの生産などをおこなっているBMW M社なのであった。

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