ロータス最新作「エミーラ」はエンジン搭載決定! 「エヴァイヤ」は2021年度内に生産開始

ロータスの戦略が見えた! 4つのアーキテクチャーが示す未来

 今後ロータスは、新しい4つのアーキテクチャーを元に車両展開していく。これは、ロータスのエンジニアが、ヨーロッパおよび中国のエンジニアと協力して開発した、ロータス・ブランド用の構造プラットフォーム・ファミリーである。

 ジーリー・グループ内ではロータス専用プラットフォームとなるものの、ロータス・エンジニアリングのコンサルティングを通じて、他のメーカーにも提供される可能性もあるという。4つのアーキテクチャーは、登場が待たれるロータスの次期パフォーマンスカーに採用される予定だ。

ロータスの最新作となる「エミーラ」は、最後のエンジン搭載モデルとなる
ロータスの最新作となる「エミーラ」は、最後のエンジン搭載モデルとなる

●スポーツカー・アーキテクチャー
 社内ではエレメンタル・アーキテクチャーと呼ばれており、新開発されたエミーラに採用されたのが、このプラットフォームである。フレキシブルで軽量、ロータスを象徴する押し出しアルミニウム・テクノロジーを採用。スポーツカー・プラットフォームは、技術的な面でこれまでとは大きく変わっており、旧世代ロータス・スポーツカーと比較すると、あらゆる寸法が変更されている。

●ハイパーカー・アーキテクチャー
 このプラットフォームをベースとする最初のモデルは、2021年後半にヘセルで生産が開始されるエヴァイヤとなる。COVID-19のパンデミックにより、数千kmにも及ぶエンジニアリング開発/確認テストは、英国内で実施された。さらに、先進的なシミュレーター企業と協業して、エヴァイヤ担当チームはバーチャル世界で膨大な距離の走行シミュレーションを実行。これにより、担当チームは、現実世界における開発車両とともに、プロジェクトのマイルストーンを確実に達成することができただけでなく、プログラムの効率も高めることができた。

 エヴァイヤ・リード・ダイナミクス・エンジニアのルイス・カーと彼のチームは、エヴァイヤを、ロータスならではの走行特性に仕上げることに焦点を合わせた。チームの一員であるジェームズは、次のように説明している。

「“50メートル・テスト”は、ロータスの重要な指針です。どのようなクルマであっても約50メートル走行すれば、ステアリング・レスポンスやロード・フィールをすぐに感じ取ることができます。このテスト要件に応えるには、ハンドリングと乗り心地を完璧にバランスさせるとともに、ドライバーのスロットル・ニーズにダイレクトかつリニアに応えるパワートレインが重要な要素となります。50km/h以上の速度を出したり、前後左右に0.1Gの重力を感じたりする以前に、50メートル・テストの要件を満たすべきです」

●プレミアム・アーキテクチャー
 ロータス史上初めて送り出す真にグローバルな自動車アーキテクチャーは、ロータスのまったく新しいライフスタイル・ビークルの基盤となる。エミーラとこれに続く一連のライフスタイル・ビークルにより、ロータスはこれまで以上の販売台数と収益を達成することが見込まれている。

 このアーキテクチャーは英国で設計され、中国、スウェーデン、ドイツのチームとの共同作業によってブラッシュアップされている。いわば、英国で生まれのグローバルで成長したアーキテクチャーである。

●エレクトリック・スポーツカー・アーキテクチャー

 2021年1月、ロータスおよびルノー・グループ傘下のアルピーヌは、新たなパートナーシップを発表。ロータス・エンジニアリングは、(社内ではE-Sportsと呼ばれている)新しいプラットフォームの開発を主導しており、これをベースとして、ロータスおよびアルピーヌのニューモデルが登場する予定だ。

 ロータスとアルピーヌの契約には、共有サービス合意条項も含まれており、両社だけにとどまらず、このプラットフォームを他のメーカーに応用する可能性も残されている。

 ロータス・カーズ・マネージング・ディレクターのマット・ウィンドルは、次のようにコメントしている。

「E-Sportアーキテクチャーは、柔軟性の高いモジュラー・プラットフォームです。

 これは、現代的なスタイリングとクラスをリードする乗り心地とハンドリングを両立させ、さらに爆発的なパフォーマンスやロータス独自のキャラクターである、ピュアでダイナミックな“For The Drivers”エクスペリエンスを備えた、ロータス・ブランドの新しいスポーツカー・アイコンの基礎となるでしょう。

 私たちは、最新の内燃エンジン搭載スポーツカーと同等の重量を達成するという課題に取り組んでいます」

* * *

 ロータスの新しいスポーツカー「Type 131」の情報が流れたときには、4つのアーキテクチャーについての情報が発表されていなかったため、「Type 131=エミーラ」のプラットフォームがアルピーヌと共用になり、EVになるのではという憶測もあったが、今回の発表でそれらの疑問が一気に解けた形となった。

 プレミアム・アーキテクチャーで作られるクルマが、スーパーカーやラグジュアリーカーメーカーがこぞって参入しているSUVになるのだろうかという新たな疑問も生まれたが、まずは純粋にエンジンだけのスポーツカーであるエミーラの誕生を心待ちにしようではないか。

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