トヨタ「クラウンクルーガー」世界初公開! クラウン名称がSUVとして中国で発表された訳

なぜ、「クラウン」の名前を冠するのか?

 中国では、外資系自動車メーカーは、中国系自動車メーカーとの合弁会社を設立することが原則として求められています。

 トヨタの場合、第一汽車との合弁である「一汽トヨタ」と広州汽車との合弁である「広汽トヨタ」がそれにあたります。

 今回の場合、クラウンクルーガーの実質的な海外名である「ハイランダー」の名は、広汽トヨタ向けのモデルで使用されているため、一汽トヨタ向けのモデルにクラウンクルーガーの名が冠されることになりました。

 それぞれの合弁企業で商圏が重なることもあるため、同じ車種でも装備や仕様を変更したり、名称を変更したりすることが多く、今回のクラウンクルーガーについてもそうした事情があったものと推測されます。

北米や欧州などで展開されているトヨタ「ハイランダー」(2019年にフルモデルチェンジした北米仕様)
北米や欧州などで展開されているトヨタ「ハイランダー」(2019年にフルモデルチェンジした北米仕様)

 一汽トヨタ向けのモデルにクラウンの名が使用された背景について、中国自動車事情に詳しい専門家は次のように話します。

「中国最初の自動車メーカーである第一汽車は、北京などを中心とした内陸部に強いといわれています。

 内陸部の中国人は、上海などの沿岸部や広州などの南方の中国人に比べて、保守的な傾向があるとされることから、『クラウン』のような歴史と伝統のある名称が好まれるのだと思います。

 第一汽車はかつて中国にてクラウンの生産・販売をおこなっていましたが、それも理由のひとつかもしれません」

※ ※ ※

 クラウンクルーガーは、次期クラウンとの直接的な関係性は薄いようですが、堂々たるサイズに、プレミアムな内外装を備えたその姿は、クラウンの将来を示唆するヒントになるかもしれません。

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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