今や新型「GR 86/BRZ」は超貴重な存在? 絶版コンパクトFRスポーツ5選

日欧合作のモデルに、大排気量FRクーペとは

●アバルト「124スパイダー」

日本とイタリア合作で誕生したアバルト「124スパイダー」
日本とイタリア合作で誕生したアバルト「124スパイダー」

 2013年にフィアットグループとマツダが提携契約を締結し、2016年にマツダ「ロードスター」をベースにしたオープンライトウェイト・スポーツカーの、フィアット「124スパイダー」が発売されました。

 さらに同年、この124スパイダーをベースにチューンナップした高性能バージョンのアバルト「124スパイダー」が登場。

 エンジンはロードスターが132馬力の1.5リッター自然吸気(「RF」は2リッター)なのに対して、アバルト 124スパイダーはフィアット製の最高出力170馬力を誇る1.4リッター直列4気筒SOHCターボを搭載し、トランスミッションは6速MTと6速ATが設定されました。

 1130kg(MT車)という軽量な車体に170馬力のエンジンを組み合わせ、パワーウェイトレシオは約6.65kg/psと、アバルトを名乗るにふさわしい値を実現しています。

 内装は基本的にロードスターと共通で、右ハンドルのみが設定されウインカーレバーも右です。

 外観は1972年発売の初代124スパイダーをオマージュしたフロントフェイスに、リアのデザインもロードスターから変更されました。

 また、足まわりには専用セッティングのビルシュタイン製ダンパーやブレンボ製ブレーキキャリパーが奢られ、高い運動性能を発揮。

 しかし、2020年にベースのフィアット 124スパイダーとともにアバルトモデルも生産を終了しました。

 ちなみに、日本で正規に販売されたアバルト 124スパイダーは、マツダが広島の工場で製造する国産車という扱いでした。

●BMW「Mロードスター/Mクーペ」

大排気量NAエンジンを搭載した特別なモデル「Mロードスター」
大排気量NAエンジンを搭載した特別なモデル「Mロードスター」

 1989年にマツダからユーノス「ロードスター」が発売されたことにより、失われていたコンパクトなオープン2シーター車の人気が再燃し、国内外の各メーカーはマツダに追従するようにオープン2シーター車を次々と発売しました。

 そのなかの1台が1996年に発売されたBMW「Z3」です。初期の日本向けモデルは5ナンバーサイズに収まるボディに1.9リッターエンジンを搭載したコンパクトな車体のモデルであり、高い人気を獲得。

 外観はロングノーズ・ショートデッキの古典的なFRスポーツカーのフォルムで、コンパクトながらも抑揚のあるグラマラスなボディを採用しています。

 1998年に追加された「Z3ロードスター2.8」では3ナンバーサイズのワイドボディに変わったのと同時に、「Z3クーペ2.8」というルーフとリアのキャビンを追加したかたちのクーペボディが設定されました。

 さらに「3シリーズ」の高性能モデルである「E36型 M3」に搭載された、321馬力を発揮する3.2リッター直列6気筒エンジン(S50ユニット)を移植した「Mロードスター/Mクーペ」が登場。その後エンジンは、「E46型 M3」に搭載した325馬力を発揮する3.2リッター直列6気筒エンジン(S54ユニット)に換装されました。

 外観はさらにワイドになったフェンダーによって、迫力あるフォルムを実現しています。

 内装はZ3に準じていましたが、センターコンソールに3つのメーターが追加され、随所にメッキの加飾をおこなうことでクラシカルな雰囲気のスポーツカーを演出しています。

 2002年にZ3シリーズは一代限りで後継車の「Z4」にバトンタッチ。ボディサイズが拡大されてGTカー的なモデルへと変貌を遂げました。なお、現行モデルのZ4は3代目で、トヨタ「スープラ」とエンジンやトランスミッション、シャシを共有しています。

※ ※ ※

 繰り返しになりますが、新型GR 86と新型BRZは今では貴重な存在のコンパクトなFRスポーツカーです。

 現在、FRのスポーツカーというと高額かつ大型なモデルは生き残っていますが、GR 86やBRZと同等のモデルはロードスターくらいで、新型の登場は朗報といえるでしょう。

 しかし、2ドアクーペのニーズは限られているのも事実で、世界的にもヒットするのは難しい状況です。

 なんとか、この新しいFRスポーツカーを大事にしていかなければなりません。

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