なぜスバルファンを「スバリスト」と呼ぶ? トヨタや日産もファンは多いのに愛称を聞かない訳
スバル好きとトヨタ・日産車好きには違いがある!?
スバルのスバリストという呼び方が定着している一方で、トヨタファンを「トヨティスト」、日産ファンを「ニッサニスト」などと呼ぶことはあるのでしょうか。
実際にネット上で検索をかけても、スバリストは約38万9000件ヒットするのに比べ、「トヨティスト」や「ニッサニスト」はほとんどヒットしません。

トヨタ党や日産党などと呼ばれることがあるようですが、トヨタや日産を支持する熱狂的なファンがいないかというと、そんなことはありません。
トヨタ車販売店のスタッフは以下のように話します。
「かつての『AE86』は自由度が高く自分好みのカスタムができることから人気が出たり、モータースポーツシーンを席巻した『スープラ』に根強いファンがいたりと、車種ごとに強いファンがついている印象です」
日産の販売店スタッフは、「『GT-R』や『フェアレディZ』など、同じ車種を長く乗り継いでいただくお客さまもいることから、熱狂的なファンは確かにいます。日産としても製造廃止となった純正補修部品の復刻生産をするなどしてファンをサポートする取り組みもおこなっております」と話します。
こうしたことから、トヨタや日産は、スバルのようなメーカー自体のファンというよりは、車種に特化した支持者が多いといえるかもしれません。
スバル広報部はスバリストについて次のようにいいます。
「代々スバル車を乗り継いてくださる人や、自身のクルマ以外にもスバル車全般に知見がある人など、熱心なスバルファンをスバリストと呼んでいるようです。
自動車メディアのなかにもスバル専門誌やスバル専門のYouTubeチャンネルなどが存在していますが、ほかのメーカーでそういう例はあまり聞きません。
スバルはそれほど大きな規模のメーカーではありませんが、スーパーGTのファンシートはとても盛り上がりますし、以前開催した『WRXファンミーティング』では1000台以上のWRXが集まるなど、多くのスバリストやスバルファンに支えられていると感じています」
また、トヨタや日産ではなくスバルのファンになった理由について、スバリストである男性は以下のように説明します。
「トヨタや日産も熱狂的に支持する可能性も十分にあったと思いますが、スバルが公式で主催している大規模なオフ会や、子会社のSTI(スバルテクニカインターナショナル)がモータースポーツデイを企画するなど、ファンになる要素として『共感・コミュニティ』の部分に力を入れていると感じます。
トヨタや日産のオフ会では、『86』や『GT-R』など特定の車種を対象としたものはいくつかありますが、メーカーが主催しているのはスバルと比べて少なく感じます。
また、クルマづくりという点では、水平対向エンジンを極めることでスバルのブランド力が増し、他メーカーと比べて熱狂的になりやすいのかもしれません」
※ ※ ※
スバルは、元々の生産台数がトヨタや日産に比べて多くないものの、駐車場にスバル車が停まっているとその隣に駐車する「スバルの法則」というものがあるといわれており、オーナー同士の連帯感が生まれやすいようです。
そんな熱狂的なスバリストは、スバルのこれまでの歴史や、バックボーン、会社のビジョンから共感や愉しさを生むための交流会が数多く開催されることが、スバリストと名がつくほどの支持者を増やしたといえるのではないでしょうか。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。



















