3000万円オーバー! 誕生から50周年の「カウンタック」の価格が高騰中!!

後期型のファーストモデルたる「LP500S」の落札価格は?

 ここで注目したいのは、カウンタックの歴史を前期と後期に分けるとするのならば、後期型のファーストモデルと称してもよいのがLP500Sだ。

●1984 ランボルギーニ「カウンタックLP500S」

カウンタックの後期型ファーストモデルと称してもよい「LP500S」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
カウンタックの後期型ファーストモデルと称してもよい「LP500S」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 LP500Sに搭載されたV型12気筒エンジンのボア×ストロークは、85.5×69mmにまで拡大され、総排気量は4754ccとなった。

 逆に圧縮比は9.2にまで下げられたものの、排気量アップの効果は大きく、LP400Sからそのまま受け継がれたウエーバー製45DCOE型キャブレターとの組み合わせで、375psの最高出力を得るに至った。

 この数字はファーストモデルのLP400と共通だが、1000rpmも下の回転数で発揮され、扱いやすさは大きく向上している。これも排気量拡大による効果だといえるだろう。

 今回RMサザビーズのオンライン・オークション「オープンロード」に出品されたカウンタックは、1984年式であるから、最終期に近いLP500Sだ。

 リアのエンブレムには北米向けに「5000」の文字があるが、正式な車名はもちろんLP500Sである。

 ランボルギーニの記録によれば、当初の出荷先はドイツのディーラーで、その直後にアメリカのオハイオ、フロリダのディーラーを経て、カスタマーのもとに届けられたとされている。

 現在までの走行距離は4万8005km。ボディペイントのコンディションも、そしてブラックレザーでトリミングされたバケットシート、コンソール、ドア、ステアリングホイールなどのインテリアの状態も良好だ。

 レストアのベースとしてはとても魅力的な存在といえる。

 参考までに今回の落札価格は、28万500ドル(邦貨換算約3060万円)。「ミウラ」の流通量が少なくなったいま、これから狙うべきランボルギーニは、やはりカウンタックということか。

 カウンタックは、じりじりとミウラに続いて価格高騰の気配を感じる1台である。

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