なぜホンダはF1ラストシーズンに新型エンジン投入? 日本人初の優勝へ向け好発進

2021年シーズでF1から撤退することを発表したホンダですが、ラストシーズンにもかかわらず、事実上の新型エンジンを導入していたことが明らかになりました。ここへきて、なぜ新たなエンジンが実践投入されることになったのでしょうか。

ホンダはF1ラストシーズンをどう戦う?

 7年ぶりの日本人F1レギュラードライバーとなった角田裕毅選手(20)。

 シーズン直前のテストで参加全車のうち2番手タイムを叩き出し、日本人ドライバー初のF1優勝も射程距離に入ってきたのではないかと、モータースポーツファンのみならず各方面で話題になっています。

テストで2番手タイムを叩き出した角田裕毅選手(スクーデリア・アルファタウリ)
テストで2番手タイムを叩き出した角田裕毅選手(スクーデリア・アルファタウリ)

 F1は2021年3月26日の第1戦バーレーングランプリを前に、プレシーズンテストが3月12日から3日間かけてバーレーン・インターナショナル・サーキットでおこなわれました。

 そこでスクーデリア・アルファタウリの角田選手が、同じくホンダエンジン搭載のレッドブルレーシングのマックス・フェルスタッペン選手の最速ラップタイムに0.093秒差まで迫ったのです。

 角田選手の好調もさることながら、ホンダの好調が見て取れる結果となりました。

 プレシーズンテストの終了を受けて、ホンダは日本メディア向けに「Honda F1 2021シーズンプレビュー」を3月16日にオンラインで開催。

 その冒頭、ホンダ本社からは「F1活動最終年となる2021年シーズンに向けて、7年間の集大成として、全23戦の戦いに挑みます」との強い意気込みを聞くことができました。

 ホンダの八郷隆弘社長が2021年10月2日におこなったオンライン会見では、「カーボンニュートラル社会への対応によって、ホンダはF1から2021年シーズンをもって撤退する」と表明しています。

 ホンダF1の歴史は、いわゆる第一期(1964年から1968年)を起点として、第二期(1983年から1992年)、第三期(2000年から2008年)を経て、2015年に新たなる戦い(第四期)が始まり2021年でその使命を全うすることになりました。

 シーズンプレビューでは本田技術研究所 HRD Sakuraセンター長で、F1プロジェクトLPL(ラージ・プロジェクト・リーダー)の浅木泰昭氏が技術に関する発表と質疑応答に対応しました。

 2020年にもシーズンプレビューがオンライン開催されましたが、コロナ禍でシーズン開幕が大幅に遅れため、開催したのは夏前の6月23日。あれから約9か月が経過した今回、これまで明らかにされなかった新たな事実が分かりました。

 それは、新しい骨格をもった、事実上の新型エンジンの導入です。

 浅木氏はあるグラフを用いて、第四期のF1エンジンの最大出力のシーズンごとの変化をライバルメーカーと比較する形で示しました(資料は非公開)。

 そのなかでは、マクラーレンからトロロッソ(現:スクーデリア・アルファタウリ)への体制移行に伴い、エンジンについてもホンダ企業体のさまざまな分野の知見を総動員して改良を進め、年を追うごとに最大出力は向上。ライバルとの差はどんどん小さくなっていき、その結果として2020年にはホンダとして3勝を挙げることができたといいます。

 ただし、コロナ禍の影響でF1開発予算削減を余儀なくされ、「古い(エンジンの)骨格では最大出力の頭打ちとなっていたので新骨格の開発を進めていたが、その開発は凍結していた」というのです。

 ところが、F1撤退が確定した秋頃、八郷社長に「このまま新骨格を出さずにF1ラストイヤーは終われない」と提案し、新骨格の実戦導入が決まったといいます。

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