デザインを全否定しちゃった? マイナーチェンジで大きく変わった車5選
マイナーチェンジの大幅変更が功を奏したケースとは
●スバル「R2」
スバル「R2」は、2003年に発売された5ドアハッチバックの軽自動車です。低コストやパッケージングの良さが求められる軽自動車でありながら、内外装のデザインにこだわった意欲的なモデルでした。
フロントグリルは前述のスプレッドウィングスグリルが採用され、個性的なフロントフェイスを採用。
しかし、このフロントグリルは多くのユーザーから共感を得ることはできず、2005年のマイナーチェンジでは、普通の横長のグリルに変更されました。
さらに特徴的だったリアドアの形状やリア再度ウインドウ形状が、実用性を重視して窓面積を拡大させた形状に改められるなど、かなり大掛かりに手が入れられました。
初期モデルはデザイン優先で開発され、インパクトのある斬新なスタイルでしたが、結果として、軽自動車のユーザーはオーソドックスなデザインを求めていたということでしょう。
●トヨタ「プリウス」
トヨタ「プリウス」はハイブリッド専用車として1997年に発売、2003年に登場した2代目から5ドアハッチバックに変更され、徐々に販売台数を伸ばしました。
そして、2009年に登場した3代目は、ハイブリッド専用車として初の年間新車登録台数1位となるなど、ハイブリッド車の代名詞となるモデルに成長しました。
その後、2015年に登場した4代目プリウスは、TNGAと呼ばれる新しいプラットフォームなどを採用し、デザインも一新されました。
全体のフォルムは、空気抵抗を低減するために設定された「トライアングルシルエット」を継承しながらも、重心を下げたアグレッシブなデザインとなっています。
フロントフェイスは、三角形のウインカーレンズにつながるような複雑な形状のヘッドライトを採用し、リアはS字のタテのラインが特徴的なテールライトとなり、斬新さをアピールしました。
しかし、新たな挑戦をした外観デザインは、既存のプリウスユーザーからはクセが強すぎるとの声もあり、販売は伸び悩んでしまいます。
そこで、2018年に実施されたマイナーチェンジでは、個性的なヘッドライトとテールライトがヨコ基調の形状に改められ、比較的オーソドックスなデザインに変わりました。
その結果、2019年の年間新車登録台数で1位に返り咲くなど、普通となったデザインは多くのユーザーに受け入れられたようです。
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外観のデザインは販売を左右する重要な要素のひとつです。そのため、各メーカーとも優秀なデザイナーを雇い、時には著名なデザイナーを有するデザイン会社へ発注することもあります。
さらに多くのプロセスを経て、実車に近いモックアップを複数つくり、役員の承認を得て最終的に決定されます。
これほどまでにコストと時間をかけても、デザインで失敗することもあるので、ヒットにつながるデザインを完成させるのは、かなり難しいことがわかります。
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