「XJ」終了!? ジャガーはピュアEVのみ生産へ! ランドローバーは5年間で6種類のピュアEVを市場投入

ジャガー・ランドローバーは、デザインによるモダン・ラグジュアリーの未来を再構築していく、新グローバル戦略「Reimagine」を発表した。ランドローバーは今後5年間で6種類のピュアEVを導入し、ジャガーはピュアEVのみとなる。

ランドローバーはピュアEVを6モデル投入

 イギリスでは、2030年からガソリン車・ディーゼル車の新車販売を禁止することが2020年11月に発表された。当初は2040年からであったのだが、段階的に10年前倒ししての全面禁止となった。こうしたイギリス国内での動きに伴い、英国の自動車メーカーも対応を迫られている。

●脱ガソリン&ディーゼル車を掲げるジャガー・ランドローバー

新グローバル戦略「Reimagine」の発表で、「XJ」の後継モデルの開発がストップしたことが判明した
新グローバル戦略「Reimagine」の発表で、「XJ」の後継モデルの開発がストップしたことが判明した

 2021年2月15日、ジャガー・ランドローバーが発表した新グローバル戦略「Reimagine」は、まさしく脱ガソリン&ディーゼル車を見据えて大きく舵を切った内容となっていた。

 ジャガー・ランドローバーCEOティエリー・ボロレ氏は次のようにコメントしている。

「ジャガー・ランドローバーは世界の自動車業界において極めてユニークな存在です。他に類を見ないモデルのデザイン、顧客の将来のラグジュアリー・ニーズに対する並外れた理解、感性に訴えかけるブランド価値、英国の精神、そして、タタ・グループの傘下であることで、テクノロジーとサステナビリティの分野において世界をリードする各社との連携ができるという優位性を持ち合わせています。

 私たちはこれらの要素をいかして、これからのビジネス、ジャガーとランドローバーというふたつのブランド、そしてカスタマー・エクスペリエンスを再構築していきます。この『Reimagine』戦略により、かつてないほどに独自性を強化し際立たせることができます。それと同時に、当社を取り巻く世界に対し、よりサステナブルでポジティブなインパクトを与えることもできるのです」

 では、具体的に新グローバル戦略「Reimagine」を見ていこう。

●戦略の中核となる電動化

 ジャガーとランドローバーの両ブランドの電動化で、独自のパーソナリティを明確に持った、別々のアーキテクチャーが採用されることになる。

 ランドローバーは、「レンジローバー」「ディスカバリー」「ディフェンダー」の3つのファミリーを通じて、ラグジュアリーSUVにおいて世界をリードし続けるために、今後5年間で6種類のピュアEV(電気自動車)を導入。ランドローバー初となるピュアEVモデルは、2024年に登場する予定だ。

 ジャガーは、ピュアEVのラグジュアリー・ブランドとして生まれ変わるべく、2020年代半ばまでにブランド再生が実行される。そのため、現在モデル末期「XJ」の後継モデルの開発は、一端白紙に戻されることになった。

 2030年までにそれぞれのブランドでピュアEVを投入し、ジャガーでは100%、ランドローバーでは約60%が、ピュアEVとなる予定だ。

 また、2039年までに、サプライチェーン、製品、オペレーションのすべてにおいて排出ガス量を実質ゼロにすることを目標としており、その一環として、水素経済の成熟に伴い、クリーンな燃料電池の準備も進められている。これは長期的な投資プログラムとしておこなわれ、開発はすでに進行中とのこと。今後1年以内にプロトタイプが英国に到着する予定だ。

 ジャガー・ランドローバーでは、ラグジュアリー業界を取りまく環境、社会に与えるインパクトの新たなベンチマークをもたらすサステナビリティが、「Reimagine」戦略の成功には不可欠な要素と捉えており、この戦略を進める中心的な新たなチームを結成。マテリアルをはじめ、エンジニアリング、マニュファクチャリング、サービス、循環型経済への投資における先駆的なイノベーションを構築し、推し進めていく意気込みだ。

 そのため、すでに年間約25億ポンドの投資をコミットしおり、このなかには、電動化テクノロジーやコネクテッド・サービスの開発も含まれている。オーナーシップ・エコシステムをさらに向上させるデータ集約型テクノロジーとあわせて、カスタマー・ジャーニーおよびエクスペリエンスをよりよいものにしていくのが狙いだ。

【画像】さよならジャガー「XJ」!(14枚)

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