F1参戦にEVスポーツ開発 話題の多いフレンチブランド「アルピーヌ」とは?
1955年に誕生した歴史あるスポーツカーブランド
アルピーヌとはフランス語で「高い山」を意味する。「アルプスへと続くワインディングロードを快適にドライブするクルマ」、これがアルピーヌの目指すクルマづくりだ。
もともとアルピーヌは、1955年にジャン・レデレ氏によって創設された。レデレ氏は父親と一緒にルノーのディーラーを営んでいたが、ラリードライバーでもあった彼はモータースポーツ好きが昂じて、クルマづくりまで始めたのだ。
レデレ氏はルノー車を改造してレースに参加していた。
最初は「4CV」をベースにして、ボディをFRPにするなどの軽量化を図り、高い戦闘能力を持たせた「アルピーヌA106」のプロトタイプでミッレミリアに参戦、750cc以下のクラスで優勝するなど活躍した。
1956年に「アルピーヌA106ミッレミリア」の市販を開始、1962年まで生産された。このモデルのデザインは、ジョヴァンニ・ミケロッティが担当した。現代のA110の原型となる「アルピーヌA110」がデビューしたのは1962年3月。これがのちにアルピーヌの代表車種になる。
アルピーヌがモータースポーツ活動でルノーと提携したのが1965年だった。
ルノーにとって、レースやラリーで良い成績を収めるためのパートナーとしてはもってこいの存在だった。1971年にはラリー・モンテカルロで初優勝、1973年にはWRCでコンストラクターズタイトルを獲得している。
アルピーヌは、1964年から1972年までの間にシングルシーター/ラリー/プロトタイプの3部門でタイトルをとった初めてのメーカーになった。このようにモータースポーツに参戦しながらも、1972年には「ポルシェ911」に対抗するような「アルピーヌA310」を世に送り出した。駆動方式はRRだった。
競技の成績は絶好調でも、この時代のアルピーヌの経営自体はすでに危うかった。結局、アルピーヌの株式がルノーに渡り、アルピーヌはルノーに買収されることになった。結果論としてはこれがうまくいき、ルノーのモータースポーツ部門として活躍することができた。
1978年には「アルピーヌA442B」がル・マン24時間レースで初優勝を遂げることになる。
同年、レデレ氏はルノーを離れたが、アルピーヌのブランドはファンの心に残っていた。1991年から1995年まで生産した「アルピーヌA610」を最後に市販車のラインナップは消えたが、2017年に登場した新生A110でブランドが復活した。
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ちなみに、フランス北部のノルマンディ地方の海岸に面したディエップという町は「アルピーヌの聖地」といわれる。
ここはジャン・レデレ氏が最初にアルピーヌをつくり始めた場所なのだが、ルノーR.S.などのスポーツモデル、そしてアルピーヌのモデルは、いまでもルノーのディエップ工場で製造されているという縁のある土地だ。
資金不足で空中分解!