3か所が全国初指定された「ほこみち」って何だ? 車道にも影響? 賑わいと利便性の両立方法は
国土交通省は全国初となる「ほこみち」として、大阪市の御堂筋、神戸市の三宮中央通り、姫路市の大手前通りの3か所が指定されたと2021年2月12日に発表しました。街の風景に、いったいどのような影響を与えるのでしょうか。
「ほこみち」が全国3か所に誕生
国土交通省は、2021年2月12日に全国初の「ほこみち」が3か所指定されたことを発表しました。車道部分も含め、街の様子や使い勝手を変える「ほこみちプロジェクト」とは、いったいどのような取り組みなのでしょうか。また、ドライバーにはどのような影響があるのでしょうか。
ほこみちは正式名称を「歩行者利便増進道路」といい、2020年11月25日に施行された道路法等の一部を改正する法律を根拠とします。
ほこみちに指定された道路の特例区域(利便増進誘導区域)では、無余地性の基準(道路区域外にその占用物を置く余地がなく、やむを得ない場合のみ占用を許可するという基準)が緩和され、道路占用許可が柔軟に認められます。
また道路空間の占用者が公募で選定された場合(公募占用)、5年の道路使用許可を最長で20年まで可能としており、これにより民間の創意工夫を活用した空間づくりが可能となるほか、テラス付きの飲食店など、高額な初期投資が必要な施設も参入しやすくなります。
国土交通省の担当者に話を聞いたところ、「歩道のなかに歩行者が滞留する空間(賑わいが創出される空間)を作りやすくするのが制度の目的です。
すでに広い歩道がある場所が指定されると想定しているほか、道路構造の変更で車線を減らすなどの手段も考えられます(ほこみちは道路構造の変更がなくても指定可能)」と説明します。
今回指定されたのは大阪市の御堂筋(淀屋橋交差点~難波西口交差点)、神戸市の三宮中央通り(三宮町1丁目3番9~同3丁目1番18)、姫路市の大手前通り(西駅前町1番1~本町68番)の3か所ですが、すでに御堂筋では道路の構造変更が進んでいます。
このような動きがあるほこみちプロジェクトですが、国土交通省は道路管理者がほこみちを指定する際は、そこへ至る移動手段の確保や利用環境の改善が重要であるとしています。
そのため、前出の担当者は「ほこみちへ至るまでに公共交通機関利用を推進する側面から、パークアンドライド駐車場などの検討をすることが望ましいとしています」と話します。
また姫路市の事例では「付近がトランジットモール化(マイカーの通行を制限し、バス、路面電車、LRT、タクシーなどの公共交通機関を優先する街路)しただけでなく、大手前通り付近には大型の地下駐車場があり、活用されていると聞いています」(国交省担当者)と話します。
今後も、賑わいのある街作りと安全・便利な交通社会の両立に向けた取り組みが進展していくことが望まれます。
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