「アップルカー」報道 日産なぜ否定しない? 情報錯綜も電動SUVで日産「飛躍」期待の訳とは
新型アリアは日産の新しい扉を開くカギとなるか?
日産の次世代車技術「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」では、量産車としてEVの「リーフ」、そして「ノート」「セレナ」「キックス」で展開する事実上のシリーズハイブリッドシステムであるe-POWERがあります。
次のEVについては、2021年中にクロスオーバー「アリア」が次世代日産の象徴として登場します。すでにほぼ量産のデザインとして日産本社などで一般公開しています。
また、e-POWERについては、2020年12月に発売開始した、新型ノートで第二世代へと進化しました。技術詳細について、2021年2月上旬、オンライン会議システムを使い技術担当者が報道陣と説明と意見交換をおこなっています。
そのなかで、筆者が既存の1.2リッターエンジン「HR12」以外を使ったe-POWERシステムの量産の可能性について聞いたところ、より大きな排気量のエンジンなどを視野に入れた量産開発をおこなっていることを明らかにしました。
2016年から発売されているe-POWERは、日本での走行を最優先して開発されており、高速走行は100km/h程度であるため1.2リッターエンジンで十分な燃費とパフォーマンスを発揮しています。
それが、例えばドイツのアウトバーンや、アメリカの地方部のフリーウエイでの高い速度域では対応するためには当然排気量アップが必要となるという点も、ほかの記者の質問に答えるかたちで担当エンジニアが指摘しました。
また、ルノー日産三菱アライアンスでの「リーダーとフォロワー」という理念に基づき、さまざまなエンジンサイズのe-POWERがルノーや三菱に搭載される可能性についても否定していません。
もうひとつ、日産の電動化に加わる可能性が極めて高いのが、三菱と日産が共同開発中のプラグインハイブリッド(PHEV)です。
すでにアメリカで発売された「ローグ」をベースに次期「アウトランダー」と日本向け「エクストレイル」が実質的な兄弟車として登場することは確実な情勢です。両モデルにPHEVが登場する可能性は高いと思われます。
その場合、日本のアウトランダーはPHEVのみという流れが順当だと考えられますが、はたして日本のエクストレイルをPHEVとe-POWERの両刀使いにするかどうか。
筆者の個人的な希望としては、日産がこれから一気に復活基調に乗るためには、電動化二刀流エクストレイルは日産を飛躍させるための大きなきっかけになると思います。さらに、日産製「アップルカー」の実現にも期待したいところです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
会社の規模を考えれば会社ごと乗っ取られる可能性もあるし。その先にはバラ売りで日産そのものが消える恐れもあるしな。
だけどそれ以前に、アップル云々を気にするよりも、20年に1回ぐらい潰れそうになる会社の異常性に気を使った方がいいのでは?