絶好調のシトロエンを支えるMPV「ベルランゴ」の魅力とは? ライバルと比べてみた

シトロエンが好調だ。コロナ禍により、2020年の外国メーカー車新規登録台数は前年比85.5%と大きく落ち込んだが、シトロエンは5031台と、前年の4115台と比べて122.3%と台数を伸ばした。そんなシトロエンの好調ぶりを支えるのが、MPV「ベルランゴ」だ。そんなベルランゴの魅力はどこにあるのか。同じく人気のルノー「カングー」と比較してみよう。

コロナ禍のなかでも前年を大きく上回ったシトロエン

 コロナ禍の影響で、輸入車市場も大ダメージを受けた2020年。そんななか、前年実績を上回った数少ないブランドが、フランスのシトロエンだ。

 2020年の新規登録台数は5031台と、前年と比べて122.3%を記録。ちなみに、シトロエンと並んでグループPSAを形成するプジョーは前年比101.2%の1万26台、DSは同100.4%の908台、3ブランドともに前年超えをはたしているのも注目だ。

 そんなシトロエンの人気を支えているモデルが、2019年に日本デビューを果たし、2020年8月にカタログモデルを追加して本格導入されたMPV「ベルランゴ」だという。どんなクルマなのだろうか。

シトロエン「ベルランゴ」。ベルランゴ人気でシトロエンディーラーの来場者も増えているという
シトロエン「ベルランゴ」。ベルランゴ人気でシトロエンディーラーの来場者も増えているという

 ベルランゴは、ヨーロッパでは「フルゴネット」と呼ばれる、商用車をベースとしたMPVだ。こうしたフルゴネットは、日本ではなんといってもルノー「カングー」が有名だが、欧州ではベルランゴの登場は1996年7月、カングーは1997年だから、じつはベルランゴのほうが先に登場している。

 ベルランゴは今回はじめて日本市場に正規導入されたが、カングーは2002年に日本市場に導入されたため、すでに20年近くの歴史を持っている。初代前期型/後期型、2代目前期型/後期型に加え、2010年に登場したカングーの3ドアショートボディバージョン「カングー ビボップ」と、現在まで5つのバリエーションがある。

 現行型カングーは2009年9月に発売されたから、すでに12年目に突入したロングセラーモデルだ。2020年11月、フランス本国で新型となる3代目カングーの写真が公開されたが、それ以降の情報がないため、いつ日本で登場するのかは未定だ。

 本場欧州でもライバル車となるベルランゴと現行モデルのカングーを比較してみる。

ボディ寸法
 
 ベルランゴのスリーサイズは、全長4405mm×全幅1850mm×全高1850mm。対するカングーは全長4280mm×全幅1830mm×全高1810mmだ。

シトロエン「ベルランゴ」とルノー「カングー」
シトロエン「ベルランゴ」とルノー「カングー」

 比較すると、ベルランゴはカングーよりも全長で125mm、全幅で20mm、全高は40mm大きい。そのため、通常時の荷室はベルランゴが圧倒的に広く感じる。

 ベルランゴを実際に運転してみると、カングーと全幅が20mmしか変わらないというのが意外に思える。スクエアなボディなのでどちらも車両感覚はつかみやすいが、ベルランゴのAピラーが太めのため、とくに左側に気を使う場面があった。ボタンを押すと左サイドの映像がルームミラーに映る「ブラインドスポットモニター」はSHINEとSHINE XTR PACKに標準装備しているので、路肩に寄せるときなどはこれを使うといい。

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