最高速322キロ!! BMWのV8を積んだアスカリ「エコス」は本気のスーパーカーだった
17台しか生産されなかった幻のスポーツカー
今回RMサザビーズ社のパリ・オークションに出品されるアスカリ「エコス」は、アスカリとしてはFGTに続く第2作となるモデルである。
●1997 アスカリ「エコス」
エコスの実際の生産は、1998年から1999年の2年間にわたっておこなわれたのみで、総生産台数は17台と記録されている。
だが実際に現存するエコスは、さらに少ない台数と考えるのが自然だろう。なにしろもっとも新しいモデルでも、すでに20年以上の時間が経過しているのだから。
エコスはスチール製のスペースフレーム上に、パワーユニットやサスペンションを組み合わせていくという、小規模なスポーツカーの生産にはもっとも適したともいえる工法で製作されたモデルだった。
リアミッドに搭載されたエンジンは、BMW製の4.4リッターV型8気筒エンジンで、その最高出力は300psであった。このエンジンのチューニングを担当したのはハルトゲで、出荷後にハルトゲに持ち込めば、さらに100psのエクストラを得るプログラムを得る、4.7リッター仕様にチューニングアップすることも可能だったという。
車重はわずかに1250kgと軽量だが、これはボディ素材にグラスファイバーなどの軽量素材を使用した結果だ。この軽量なボディと相まって、現在は珍しくもない300psという最高出力ながら、最高速度は322km/hであった。
現在アスカリは、すでにスポーツカーの生産からは撤退してしまったが、南スペインでは会員制のサーキット・リゾート、アスカリ・レース・リゾートの経営を継続している。ここは自動車メーカー各社も頻繁に試乗会等を開催する、全長が5425mにも及ぶ非常にテクニカルなコースだ。できればここで、アスカリの実力を試したかったものである。
ちなみに、RMサザビーズがアスカリ・エコスに付けたエスティメート(最低落札価格)は、15万5000−19万5000ユーロ(邦貨換算約1970万−2480万円)。2台しか生産されなかった左ハンドル仕様の1台である。どのようなジャッジが下されるのだろうか。
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