SUV王者に黄色信号? トヨタ「ライズ」の販売台数なぜ急落? 強敵は味方にいた?
ライズのライバルは同じトヨタ? 今後はホンダからも強敵登場?
2020年はライズ人気が続いていたなかで、2021年1月は突如として順位かつ販売台数を落とした要因とは、どのようなものなのでしょうか。
落ち込んだ要因について、関西圏のトヨタ系販売会社の担当者は次のように話します。
「ライズは全長4m以下のコンパクトなSUVというのがウリのモデルですが、2020年8月31日には同等サイズのヤリスクロスが登場しました。
若干ヤリスクロスのほうが大きいことや、荷室の使い勝手、ハイブリッド車の設定があるため燃費性能が良いなどライズよりもアピールポイントが多いです。
そのうえ、価格帯も同等の100万円台後半からと似ていることなども影響して、ライズからヤリスクロスへと徐々にお客さまは流れている傾向はあります」
コンパクトSUV「ヤリスクロス」は、2020年2月に登場したコンパクトカー「ヤリス」と同じTNGA(GA-B)プラットフォームを用いた新型モデルです。
トヨタによると、「ヤリスクロスはヤリスシリーズならではの『軽快な走り』『先進の安全・安心技術』『低燃費』を受け継ぎつつ、これからの新しい時代に求められる利便性にとどまらないコンパクトSUVの新たな価値を追求することを目指し開発を進めました」と説明しています。
また走行性能においては、街乗りからレジャーまで幅広く活躍する4WDシステムも採用。
ガソリン車には、路面状況に応じた走行支援を、3つのモードから選択できるマルチテレインセレクトなど、SUVの走りを堪能できる機能を搭載。
ハイブリッド車には、E-Four(電気式4WDシステム)を設定しています。さらに、ハイブリッド車は、SUVの常識を超えたクラス世界トップレベルの低燃費(2WDでWLTCモード燃費30.8km/L)も実現するなど、さまざまな部分で魅力が詰まったモデルです。
しかし、あまりにも人気がありすぎるため2021年2月時点の納車予定時期はガソリン車が4か月以上、ハイブリッド車で6か月以上となるなど、現在でも勢いが止まりません。
そのため、2020年年末から2021年年明けにかけての登録台数がライズの1月と重なったことも落ち込んだ要因のひとつといえそうです。
また、首都圏のトヨタ系販売会社の担当者は次のように説明しています。
「最近では、2020年9月のマイナーチェンジでルーミー/タンクが一本化されたことで、ルーミーとしての販売台数は大きく伸びました。
コンパクトなサイズながら室内空間の広さとスライドドアの使い勝手の良さが継続して評価されています。
そのほか、ライズは人気のコンパクトSUVですが、日常で使うならルーミーが良いという声も聞きます。
ライズは同じブランド内でヤリス、ヤリスクロス、ルーミー、シエンタといった他ジャンルとも比較されますので、そういう意味ではライズを好まれていたお客さまにひと通り行き渡った感じはあるかもしれません」
※ ※ ※
2020年にもっとも売れたSUVのライズですが、同じトヨタ内のライバル以外にもホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」が2021年2月18日にワールドプレミアされます。
日本での正式発表・発売は春頃といわれていますが、現行ヴェゼルはかつての4度のSUVNo.1に輝いた実績を持っていることから、新型ヴェゼルの登場によってライズの動向にも影響がありそうです。
ヤリスクロスが販売されたからと中古車並行が止まったからかな